告解04 ページ26
「落ち着いたか」
「うん……。ありがとう」
腫れぼったい目を見られるのが恥ずかしくて目を伏せる。あれから泣いて、泣き止んで、オールマイトと別れて、寮に戻って、また泣いた。
でも、今は気持ちが落ち着いている。
「………ちゃんと、納得したか」
「うん……」
焦凍がいてくれたから、焦凍が自分の気持ちを代弁してくれたから。
そして何より、オールマイトが我儘を聞いてくれたから。
「なんか、頑張れそうな気がする」
「……………あまり頑張りすぎるな」
「え？」
「あれからお前、自分を追い詰めながら頑張ってるだろ」
「それは、だって、みんなも一緒だよ」
ヒーローになるのだから、自分を追い詰めながら頑張るのは━━━━━━
「違うだろ。お前は」
焦凍の目が、少しの苦味とともに揺れる。
「お前は……自分のためじゃなくて、罪悪感で頑張ってた、から……もっと、自分のために、頑張って欲しいと思ってた」
言葉を選んでいるのだろうか。少したどたどしくなりながら、焦凍は一言一言を口にする。
「お前がインターンやりたいって言った時、これ以上、そんな気持ちのまま頑張って欲しくねえって思っちまった」
(あ……)
Aは思い出す。確かにインターンの話の時、焦凍は何か言いたげだった。
「だから今日オールマイトが声掛けてきた時、チャンスだと思ったんだ。オールマイト本人から言葉をもらえれば、お前も救われると思ったから。……ただ……………」
焦凍が、深く深く、息をつく。
「本当は……俺がお前を、罪悪感から解放してやりたかった」
「っ…………」
「お前の心を救えるのは俺だけだって、思いたかったんだ」
「焦凍………」
揺れる瞳に、ぎゅうと心臓を掴まれたような気がして。Aはそっと、焦凍に手を伸ばした。そして、ゆっくりと触れ、抱きしめる。
「………焦凍、確かにわたしはオールマイトの言葉で救われたけど」
「………」
「でも、あんなことがあっても頑張ってこれたのは、焦凍のおかげだし、それに……」
なんと言えばいいのだろう。なんと言えば伝わるだろう。
(わからないなら)
口から零れるそのままに、伝えてしまおう。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 551人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
SangriA(プロフ) - あいうえお。さん» お久しぶりでございます！いつの間にか7です……！9月に書き始めたシリーズなのにおかしいな……。これからも更新がんばりますのでよろしくお願いします！ (2018年10月26日 22時) (
レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
あいうえお。 - 久しぶりのコメント、いつのまにかもう7。更新が進む進む。低下する私の語彙力。←←更新頑張ってください！(唐突←← (2018年10月25日 23時) (レス) id: a39bf4407f (このIDを非表示/違反報告)
SangriA(プロフ) - 雪音さん» そう言ってもらえてありがたやですー( ´ ▽ ` )更新がんばりますねー (2018年10月20日 22時) (レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
雪音(プロフ) - SangriAさん» 試験面白い！忙しい中レスありがとうございます！頑張ってください！ (2018年10月18日 23時) (レス) id: d204d91f16 (このIDを非表示/違反報告)
SangriA(プロフ) - 雪音さん» ありがとうございます！まだまだ更新がんばるので楽しんでくれたら嬉しいです！ (2018年10月18日 19時) (レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：SangriA | 作成日時：2018年10月17日 21時
