告解01 ページ23
「A」
放課後、焦凍は帰り支度をするAに声をかけた。
「インターン、どうすんだ」
「んー。やっぱりやりたいって思うよ」
「そうか……。そうだよな」
「？」
その微妙な態度に、Aは首をかしげた。
「A、お前…」
「語部少女はいるかい？」
焦凍の言葉を遮るように、がらりとドアの開く音がした。そこにはオールマイトがいて、Aを見つけるとにこりと笑う。
「オールマイト先生？」
「帰るところすまないね。少し話があるんだけど、いいかな？」
「えっ……」
びくりと、Aの肩が震えた。
「あ、わ、わかりましたっ。焦凍ごめん。先帰ってて」
「いや、そんな長くはかからないよ。……それに、もしかしたら轟少年も一緒の方がいいかもしれないね」
「え………？」
「わかりました」
話が見えず戸惑うAに対し、焦凍は何か察したらしく、オールマイトに頷く。
「じゃ、ちょっと移動しようか」
相談室を借りて、オールマイトと向かい合うように座る。隣には焦凍がいる。けれど、Aの内心は穏やかではなかった。
真正面から見る、オールマイトの姿。
痩せこけて目は落ちくぼんだ骸骨のような見目に、あのNo.1ヒーローの面影はない。痛々しささえ感じる姿に、蓋をしようとしていた罪悪感が一気に込み上げてくる。
「それでね語部少女、話なんだけど」
「は、い」
(喉が)
乾く。はりつく。
━━━━━━━━━━━━━━怖い。
「単刀直入に言うよ。……君は、あれから私をまっすぐに見てくれないね」
「………！！」
「理由はなんとなくわかっている。いや、気づいたのは、実は昨日なんだけどね」
ふっと、自嘲気味にオールマイトは笑った。
「前々から、君が私に一歩引くようになったのは気づいていた。だけどね、その理由がわからなかった。……情けない話だ。生徒自身に、その理由を明かされるなんて」
「え……？」
「昨日、爆豪少年と緑谷少年が喧嘩したろう？ 爆豪少年がね、抱え込んでいたものを全部、緑谷少年にぶつけたんだ」
「………！」
身体中傷だらけになるほどの喧嘩。その激情の根底に、自分と同じ感情があったのだろうか。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 551人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
SangriA(プロフ) - あいうえお。さん» お久しぶりでございます！いつの間にか7です……！9月に書き始めたシリーズなのにおかしいな……。これからも更新がんばりますのでよろしくお願いします！ (2018年10月26日 22時) (
レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
あいうえお。 - 久しぶりのコメント、いつのまにかもう7。更新が進む進む。低下する私の語彙力。←←更新頑張ってください！(唐突←← (2018年10月25日 23時) (レス) id: a39bf4407f (このIDを非表示/違反報告)
SangriA(プロフ) - 雪音さん» そう言ってもらえてありがたやですー( ´ ▽ ` )更新がんばりますねー (2018年10月20日 22時) (レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
雪音(プロフ) - SangriAさん» 試験面白い！忙しい中レスありがとうございます！頑張ってください！ (2018年10月18日 23時) (レス) id: d204d91f16 (このIDを非表示/違反報告)
SangriA(プロフ) - 雪音さん» ありがとうございます！まだまだ更新がんばるので楽しんでくれたら嬉しいです！ (2018年10月18日 19時) (レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：SangriA | 作成日時：2018年10月17日 21時
