代償と、これから05 ページ18
『点数が満たなかったからとしょげてる暇はありません。君たちにもまだチャンスは残っています』
「……！」
『三ヶ月の特別講習を受講の後、個別テストで結果を出せば、君たちにも仮免許を発行するつもりです』
「━━━━━━！！ 焦凍っ！！」
「ああ」
『学業との並行でかなり忙しくなるとは思います。次回4月の試験で再挑戦してもかまいませんが━━━━━━━━……』
「当然……取りに行く」
Aの目から、ぼろりと大粒の涙が零れた。
「〜〜〜〜〜〜っ！！」
「すぐ、追いつく」
「うんっ……うん！」
焦凍は少しだけ微笑んで、Aの涙をそっと拭った。
試験の1日は、あっという間で。
それでも、色々なことがあった1日だった。
「Aちゃん、轟ちゃんよかったわね」
「うん……。でも、泣くとか、恥ずかし……」
「いいじゃない。それだけ轟ちゃんが大事って証拠だわ」
「うう……」
「おーい！！」
「あら士傑の」
砂ぼこりを巻き上げながらイナサがかけてくる。そして通り過ぎざま、手を振りながら叫んだ。
「轟！！ また講習で会うな！！ けどな！ 正直まだ好かん！！ 先に謝っとく！！ ごめん！！」
「こっちも善処する」
「えぇ……」
どんなやり取りだ。
「語部さん！！」
「！」
「ほんとごめん！ そんでありがとう！！ あんた絶対すげえヒーローになるっス！！」
「っ………わたしっ、も、酷いこと言って、ごめんなさい！！」
イナサは一瞬、びっくりしたような顔をして。
にかっと笑って、また手を振って。
そして、走っていった。
そんな後ろ姿に、青山がふと呟く。
「彼は━━━大胆というか繊細というか……どっちも持ってる人なんだね☆」
(そっか……)
きっと彼は、純粋なだけだった。憧れのヒーローに、自分の理想に、正直なだけだった。
「……焦凍」
「お？」
「わたし、強くなりたいから」
「……？」
「焦凍のこと、待ったりしない……だから」
「……」
「全力で、追いかけてきてよ」
「………ああ」
その応えに、Aはふわりと笑ってみせた。
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SangriA(プロフ) - あいうえお。さん» お久しぶりでございます！いつの間にか7です……！9月に書き始めたシリーズなのにおかしいな……。これからも更新がんばりますのでよろしくお願いします！ (2018年10月26日 22時) (
レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
あいうえお。 - 久しぶりのコメント、いつのまにかもう7。更新が進む進む。低下する私の語彙力。←←更新頑張ってください！(唐突←← (2018年10月25日 23時) (レス) id: a39bf4407f (このIDを非表示/違反報告)
SangriA(プロフ) - 雪音さん» そう言ってもらえてありがたやですー( ´ ▽ ` )更新がんばりますねー (2018年10月20日 22時) (レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
雪音(プロフ) - SangriAさん» 試験面白い！忙しい中レスありがとうございます！頑張ってください！ (2018年10月18日 23時) (レス) id: d204d91f16 (このIDを非表示/違反報告)
SangriA(プロフ) - 雪音さん» ありがとうございます！まだまだ更新がんばるので楽しんでくれたら嬉しいです！ (2018年10月18日 19時) (レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SangriA | 作成日時：2018年10月17日 21時
