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「 ── 指名の依頼？」
「ええ、住所自体はいつもの所と近いんだけど…依頼主はいつもの人とは別なの」
数日後。ミラから連絡を貰ってギルドへと顔を出せば、差し出されたのは一枚の依頼書。いつもの所と言われれば思い当たるのはティナさんだけれど、別と言われるとさっぱりで。( だからこそ、通信魔水晶越しじゃなくてギルドに呼んだんだろうけど )
「商人の護衛任務…………嗚呼、分かった」
「心当たり有った？」
「前に盗賊団に襲われ掛けてた商人たちを助けた事があって。その人達からの依頼だと思う」
「そう、そんな事が…」
依頼書に書かれた依頼主の名前の傍には女の子のイラストがあって、それはティナさんの家に助けを求めて駆け込んで来た少女に良く似ていた。彼女には妖精の尻尾の魔導士で有ることは話したし、ティナさんとも交流があったようだから名前は其処で聞いて、直接指名して来たのだろう。
「じゃあ、受けるって事で良いのかしら？ Aの都合が悪い時は他の人でも構わないって話だったけど…」
「その方向で。特に仕事や何処かに行く予定が有る訳でも無いし」
「分かった。じゃあ、連絡しておくわね」
依頼内容は商人たちをクロッカス ── このフィオーレ王国の首都で、王の居城が有る場所 ── まで護衛する事。盗賊に襲われた事や、道中でまた違う賊に襲われる可能性は無きにしも非ずで、専属の護衛が居ないのならば、ギルドに依頼する事は妥当な判断と言えた。
「嗚呼、そうそう！後、仲間も一緒でもその分の報酬は出すって言ってたわよ。A一人じゃ負担が大きいだろうからって」
「…護衛対象が多いってこと？」
「そういう事かも」
大まかな依頼内容は紙に書いてあったとしても…結局、詳細は受けた後の打ち合わせで知る事は良く有る事。( まあ、態々王都まで行くのだから…一度に大量に運んだ方が合理的ではある )
受理の連絡入れておくわねと言ってくれたミラに頷いて、改めて依頼書へと目を通す。依頼主はストレリチア商会代表、ユーゴ・ストレリチア。
ストレリチア商会と言えば、ハートフィリア家のように財閥とまでは行かないけれど、そこそこは大きな商会だった筈。それもあってか、報酬はかなりの額のもの。( S級クエストって訳でも無いし…何も無いまま、王都に着く可能性も有るのにこんなに高くて良いのだろうか ) 連絡完了との言葉を受けてから、アクアと共に商会へ向かった。
── この依頼を気に、事件へと巻き込まれて行くことを今の私は知る由も無かった。
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続く (更新停止中)
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ゆきっき(プロフ) - いつかヴェンディが真実を知る日をずっと楽しみに待ってます！ (2022年8月4日 0時) (
レス) @page46 id: e77387d96a (このIDを非表示/違反報告)
天霧(プロフ) - 続き待ってます (2021年6月11日 16時) (レス) id: 8490818b21 (このIDを非表示/違反報告)
moeka(プロフ) - 最近更新がなくて寂しく思います。また近々続きの更新して下さると嬉しく思います。更新を楽しみに待ってます。 (2021年3月31日 6時) (レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
moeka(プロフ) - 最近更新がなくて寂しいです。更新して下さると嬉しいです。更新を楽しみに待ってます。 (2021年1月21日 21時) (レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
moeka(プロフ) - 最近更新がなくて寂しいです。更新してくれたら嬉しいです。返信待ってます。 (2020年7月28日 18時) (レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紗葉 | 作成日時：2019年11月30日 19時
