FAIRY TAIL - 蒼穹の巫女 - 03

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「まとめて消え去るが良い ── 常闇回旋曲(ダークロンド)」

4対1では防戦一方。反撃に出る事も適わずに岩場に足をつけて出血する腹部を押さえた時、彼等が離れたかと思えば、大気が震える程の魔力を感じた。

「どうした、ブレイン！！」
「何故、魔法を止める！？」
「………A…ウェンディ……」

状態異常回復(レーゼ)を唱えてから、盾を作ろうとした時、何故か相手の魔法の発動が止まる。困惑したのは私達だけではないようで、六魔の仲間達も同じようにブレインを見る。然し、ブレインの視線はいつの間にかフードが取れた私と、そしてその背後の岩場に隠れていたらしいウェンディに向けられている気がした。

「知り合いか？」
「間違いない。天空の巫女…そして、蒼穹の巫女」

最近良く耳にする異名らしきもの。前者は恐らく、後ろの少女の事を指しているのだろう。聞き慣れない異名に騒めく連合軍メンバーを横目に、不敵に笑った男に警戒を強める。

「これはいいものを拾った。来い」
「ッ…！」
「きゃあ！」

ブレインの持つ杖から謎の物体。避けようとしたものの、それは意志を持っているかのように動いて私達を捕らえる。抜け出そうと試みるも、傷口が拡がって余計に苦しくなるだけで。為す術もなく、杖へと吸い込まれて行った。

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Aとウェンディ、ハッピーが敵の杖に吸い込まれたかと思えば、私達には用無しだと言わんばかりに魔法を仕掛けて来た六魔将軍。駆け付けてくれたジュラさんのお陰で何とか助けられたものの、既に敵の姿はなくて。

一夜さんの痛み止めの香りとやらで何とか痛みは抑えられたものの…エルザが噛まれてしまった蛇の毒には対応出来ないようで、当の本人は剣を取り出して噛まれた腕を切り落とせと言い出して。今エルザに倒れられる訳には行かないと剣を手にしたリオン。

「 ── ウェンディなら、治せるわ」

それを止めたのは、グレイで。険悪な雰囲気に包まれる中で、Aならと口にしようとした時、聞こえて来た冷静な声。それはウェンディの相棒であるシャルルのもの。

「今更、仲間同士で争ってる場合じゃないでしょ。力を合わせてウェンディ、Aって人を助けるの。ついでにオスネコも」
「あの娘(コ)が解毒の魔法を？」
「凄いなァ」
「解毒だけじゃない。解熱や痛み止め、傷の治療も出来るの」
「治癒って…失われた魔法(ロストマジック)じゃなくて？」
「天空の巫女ってのに関係あるの？」
「あの娘は天空の滅竜魔導士。天竜のウェンディ」

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