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「オレはお前を認めてんだよ、ミストガン。今この妖精の尻尾最強の座はオレかお前のどちらかなんだ」
「そんな事にしか目が行かんとは……おめでたいのはどっちだ」
「白黒つけようぜ、最強の座をかけて。ミストガン。いや……アナザー」
「!!!」

私を立たせてくれた後、少し離れていろと言った彼に素直に従う。そして再び対峙したかと思えば、ラクサスの口から出た言葉に僅かに目を見開く。動揺したのはミストガンも同じだったようで、持っていた扇形の杖を素早く振った。

ミストガンの魔法とラクサスの魔法が激しくぶつかった事で…強風が吹く。大聖堂の窓が全て割れ、柱や壁にはヒビが入っていた。

その事(・・・)をどこで知った」
「さあね……オレに勝てたら教えてやろうか?」
「後悔するぞ、ラクサス。お前は未だかつて見た事のない魔法を見る事になる」
「来い、格の違いを見せてやる」

ふたりの間に緊張感の漂う中で、先に動いたミストガン。背にある杖を取っては、カンと軽い音と共に地面へと立てて行く。

「摩天楼」

ラクサスの周りを包む闇。彼がどんな幻覚(・・)を見ているかは術中に居ない私には分からないけど…結構恐ろしいものらしい。彼が囚われている中で、攻撃の手を緩めないミストガンは更に魔法陣を展開させた。

「はははははははっ!!くだらねえなァ!!こんな幻覚でオレをどうにか出来るとでも思ったか!? ミストガン!!」
「流石だな。だが、気付くのが一瞬遅かった。お前は既に私の術の中。── 眠れ!!五重魔法陣 御神楽!!!」
「気付いてねえのはどっちだ?」

ミストガンの幻覚を打ち破ったラクサス。そんな彼の上に魔法陣が展開したと同時に、ミストガンの足元が光り、雷が放出された。

「抜けた!?」

同時に魔法が直撃。その衝撃で上空へと投げ出されたかと思えば、動くミストガン。床が動いてラクサスを捕らえようとするものの、雷となって移動し、それを躱す。壁を伝ってミストガンに雷撃を喰らわせようとするも、彼もまた霧となってそれを避けた。

「「ラクサス!!!」」

「「!!」」

その時、後ろで聞こえて来た扉の音と声。はっと振り返って見れば其処にはエルザとナツが居て。かと思えば、一緒に来た訳では無いようでお互いに驚いているのが見えた。

「A! と…誰だ、アイツ…」
「ミストガンか……?」

二人の視線は私から、ミストガンへと移る。ナツだけなら未だしも、エルザは不味いと思ったのは私だけでは無いようで、彼は両手で顔を覆った。




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ムーン(プロフ) - とてもこの作品が好きです!更新頑張ってください! (2019年10月2日 23時) (レス) id: dbcb69aa60 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紗葉 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/F0OOQB  
作成日時:2019年6月25日 16時

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