FAIRY TAIL - 蒼穹の巫女 - 02 (ページ38)

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第17話：神鳴殿（ 1 / 6 ）ページ38

エバーグリーンが倒れ、人質が解放されてバトル・オブ・フェアリーテイルは終わりかと思えば…空に現れた魔力を帯びた球体。

「……！」

屋根の上へと飛び乗って魔水晶へと銃弾を放って、そのひとつを破壊する。簡単に壊れるらしいと思った時、身体を襲う凄まじい電撃に思わず膝を着く。( 生体リンク魔法……！ )

「こんなのが落ちれば街だけじゃなくて、街の人達も巻き込まれる……！何考えてるの、」

魔水晶を全て壊そうとすれば、命に関わってくるだろう。かと言って街や街の人達を助けないという選択肢は無い。…ラクサスを倒すか、自分の身を犠牲にしてでも全ての魔水晶を壊すか。( 後者は最終手段。…今はラクサスを止める事を優先しなければ )

エバーグリーンと戦いを終えたエルザは既にラクサスを止める為に動いている筈。もしかしたら、人質から解放されたルーシィ達も動いているかもしれない。( 唯、未だに誰もラクサスと遭遇して居ない所を見ると彼がいるのは室内……？ )

「街の中心部…カルディア大聖堂……！」

室内と言っても長時間居ても怪しまれず、尚且つ戦えるであろう場所。其処まで考えて、はたと浮かんだ場所。それはフィオーレ三大教会のひとつ、カルディア大聖堂しかない。

「！ミラ…？」

【フリード vs. ミラジェーン共に戦意喪失】

カルディア大聖堂へと辿り着いた時、街外れの方から不意に感じた魔力。それは紛うことなき、ミラのもので。妹(リサーナ)の一件で戦う事の出来なくなった彼女が何故、参戦したのかは分からないけど…速報を見る限り、奇しくも雷神衆はS級魔導士に倒されたという事。

「ほう、お前が一番に着くとはな。てっきり、ミストガンかと思ってたぜ」

扉に手を掛ける。バトル・オブ・フェアリーテイル、残るのは目の前に居る男 ── ラクサス、ただ一人。

「あんな物、空に浮かべて…街の人まで巻き込む気？」
「嗚呼、神鳴殿か。はははっ！！！新しいルールさ……オレも本当は心が痛むよ……ククク」

神鳴殿。確かにあれは雷の宮殿というだけあって、かなりの雷の魔力を蓄えている事は身を持って実感している。それを笑いながら、口にする彼は街や街の人達がどうなっても良いと言うのだろうか。

「…ッ、思い通りにはさせない」
「来いよ」

ラクサスの傍に表示される神鳴殿発動までの時間。後、その時間内に彼を倒せるだろうか。否、やるしかないのだ。どうせ素顔は知られているとフードを外して、髪を括ると地面を蹴った。

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