FAIRY TAIL - 蒼穹の巫女 - 02 (ページ32)

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帰宅後。腕に着いた血を洗い流す目的で、着替えを持ってお風呂場へ。血の着いてしまった服はもうどうにもならないから、後で処分しようと適当な袋に纏める。

──「お前が〝地獄の鎖(インフェルノチェイン)〟を探している事もな」

丁度良い温度のお湯を浴びながら、不意に頭を過る言葉。彼はあれ以上は言わなかったけど、何か知っているのは事実なんだろう。もう確かめる術は無いけど。

「…ッ」

一旦、その事は忘れようと濡れて張り付く髪を掻き上げる。そして左手でそっと魔法の発動を試みてみれば、抑え気味だった所為か…軽い音と共に、指先に小さな痛みが走っただけだった。それは両足も同様で。

分かり切っていた事だけど…これ以上、自分で自分を傷付ける必要も有るまいと大きく溜め息を吐いた後…シャワーを浴び終えて、ラフな格好へと着替える。

身体が温まって血の巡りが良くなった所為か、再び痛み出す右腕。フェニックスを呼べる日じゃないから、自分で手当てしようと思うものの…怪我を負ったのは利き手故に結構難しい。

「髪濡れたままじゃないか。……怪我したのか？」
「！ …おかえり、」

思ったよりも集中していたようで…後ろから声を掛けられて、びくりと肩が跳ねる。勿論、それが誰かなんて振り返らなくても分かるのだけど。ただいまと顔を曝け出すミストガンの視線は、負傷部に向けられていた。

「暴発…？自分の魔力で傷付いたという事か？」

手を洗ってから、代わりに手当てを始めてくれたミストガン。今度は何が有ったんだ？と尋ねてくる彼に、クエスト中に怪我したのと誤魔化すように口にすれば、そういう傷の付き方じゃないだろうと見透かされて。…多分だけどと前置きをしてからハコベ山でも起こった事を話した。

「本当に勘でしかないの。…もしかしたら、楽園の塔の時に封じてた魔力が一時的にでも解放された事で、それが元々有る魔力と反発し合ったんじゃないかって」
「…成程。それで星霊や武器を喚び出す際や、サポートの魔法では支障は無いんだな？」

アカネでは何の支障も無く、治癒魔法やフェニックスを喚び出し…ハコベ山で武器を出した際も特に何も無かったから、今上げられた魔法に関しては其処は問題無いだろうと頷いた。

「この事を誰かに話したか？」
「話してない、けど…」
「何故？」
「何故って…これは私の問題でしょう？私がどうにかしなきゃ」

私の言葉に何か言いたげな表情をしたものの…包帯を巻き終えて、痛くはないか？と尋ねてくれた彼に、ありがとうとお礼を伝えた。

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