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( 2 / 3 ) 第三者視点 ページ22

「くそっ!!ここまでか!!」

然し、暫くは順調に進んでいたものの、魔水晶をも変形させる程の魔力が行く手を阻む。元々、これだけの大魔力を一ヶ所に留めておく事自体が不安定。行き場をなくした魔力の渦が大爆発を起こすのも時間の問題だろう。

まだ諦める訳には行かないと立ち上がったエルザは魔水晶へと触れる。そして思い出すのは、ジェラールの言葉。

「この27億イデアの魔力を蓄積した魔水晶にお前の体を融合する。そしてお前の体は分解され、ゼレフの体へと再構築されるという」

「 ( 融合!? 私とエーテリオンを融合出来れば、この魔力を操り、暴発を止められるか!? これにかけるしかない!!! ) あぐっ…うう…!」
「何やってるの……!?」

魔水晶はまだ私を受け入れていると手を深く突っ込むエルザ。辺りを見回していたAがエルザの暴挙を見ると目を見開いた。

「エーテリオンを止めるにはこれしかない」
「エーテリオンを止める?」
「ナツ!?……じきにこの塔はエーテリオンの暴走により、大爆発を起こす。しかし、私がエーテリオンと融合して抑える事が出来れば」
「バカヤロウ!!!そんな事したらお前が……!!」

気を失っていたナツも、ふたりのやり取りに目を覚ます。そして状況を把握すれば、A同様に目を見開いて。

「うあっ」
「エルザ!!!」
「何も心配しなくていい。必ず止めてみせる」
「駄目だって…!」

エルザの元へ行こうとふたりはボロボロの身体を動かす。そうしている間にも右半分は魔水晶に取り込まれつつあり…。

「やめろ!!!エルザ!!!」
「ナツ…A…私は妖精の尻尾なしでは生きていけない。仲間の居ない世界など考える事も出来ない。私にとってお前達はそれ程に大きな存在なのだ」
「エルザ…」

ナツの頬に触れながら、思いを伝えるエルザ。その目に涙は無かった。

「私が皆を救えるのなら、何も迷う事はない。この体など……くれてやる!!!!」
「エルザ…!」
「出て来い、エルザ!!!」
「ナツ…A…皆の事は頼んだぞ。私はいつもお前達の傍にいるから」

完全に魔水晶の中へと入ってしまったエルザ。美しいと思ってしまう程に満足そうな微笑みが、今は、今だけは、Aには憎たらしかった。

「エルザーーーーーーーー!!!」

エルザの入り込んだ魔水晶が目を開けていられない程に眩く光る。その瞬間、鼓膜が破れそうな程に聞こえた爆破音。暴発したかと思われたものの、それは空へと流れて行った。





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ムーン(プロフ) - とてもこの作品が好きです!更新頑張ってください! (2019年10月2日 23時) (レス) id: dbcb69aa60 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紗葉 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/F0OOQB  
作成日時:2019年6月25日 16時

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