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「私もそうだから分かるけど……エルザの敵はエルザが決着をつけなきゃ、前に進めないんじゃない?」
「エルザでは、ジェラールに勝てない」
「?」
「力や魔力の話じゃないんだ。あいつは未だにジェラールを救おうとしてる。あいつにジェラールを憎む事など出来ないから」

( 成程。私とエルザの根本的な違いは其処か ) 8年前。此処に居たエルザをずっと想って見ていたからこそ、彼女の気持ちが何処に向いているのかも分かっているのだろう。

「私は因縁の相手に情なんてこれぽっちも無いし、刺し違えてでも倒してやりたい程には憎い。……でも、私と違ってエルザは優しいから。彼の優しさを知ってしまっているから、助けたい気持ちが有るんでしょう。── けど、妖精の尻尾にはエルザの事を必要としてる人が沢山居る。彼女を此処で失う訳には行かない」
「! じゃあ、」
「でも、期待はしないで欲しい。エルザは助けるけど…ジェラールについては正直、私にもどうなるかは分からないから」

( まだ見ていないけど、大体の想像は着く。……別人と分かってもやりにくい相手だと思う ) 何か言いたげに…けれど頷いてくれた彼に、塔の天辺へと急いだ。

天辺に辿り着く寸前、塔全体が眩い光に包まれる。このタイミングと言い、それが何なんか分からない程、馬鹿でもなくて。( エーテリオン……! )

「…これは、」

間に合わなかったと目を瞑ったのも束の間、意識や肉体が消えて行くような感覚は全くなくて。目を開けて辺りを見回した時、塔全体が青い結晶と化していた。( それも唯の結晶じゃない…魔水晶……! )

「エーテリオンの魔力を塔が取り込んだ…?」

再び走り出していれば、見えたふたりの姿。まるで彼本人を見ているのかと思う程にそっくりなジェラールの顔に驚く。然し…直ぐに魔水晶に取り込まれようとしているエルザを見て、慌てて引っ張った。

「A…!逃げなかったのか…!?」
「ナツとシモンは未だ居るけど…それ以外は既に塔の外だから安心して」

驚いたように此方を見たエルザを寝かせながら、声を掛ける。エーテリオンを受けても私達は生きているという事は、それはナツやシモンも同じだろう。

確認するまでもないけど、あれがジェラールで間違いないかと尋ねれば頷いたエルザ。更に彼女が続けて教えてくれたのは…評議員であり、聖十大魔道のはひとりでもあるジークレインという人物は彼が生み出した思念体だったらしい。( 楽園の塔を完全な物にするエーテリオンを落とさせる為にそこまでやるとは… )




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ムーン(プロフ) - とてもこの作品が好きです!更新頑張ってください! (2019年10月2日 23時) (レス) id: dbcb69aa60 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紗葉 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/F0OOQB  
作成日時:2019年6月25日 16時

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