FAIRY TAIL - 蒼穹の巫女 - 02 (ページ11)

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「消化が始まったぞ。あと10分もすれば、火竜の体は溶けてなくなる。そうすれば奴の魔法は完全に私のものになる」
「だったら、その前に助け出す。 ── アーマー、アームズ、バーニア、付加(エンチャント)！」
「闇刹那！！」

お腹を押さえた梟に対して…若干、引いたように声を上げたものの、直ぐに付加術を掛けるA。そしてシモンに向かって、お願い！と声を掛けた。

シモンが魔法を唱える瞬間、Aが外套に手を掛けるのが見えて、ルーシィが女神と言ってくれたあの力を使うのだと察する。

そして闇刹那で辺りが暗くなったかと思えば、誰かにハッピーごと身体を引き寄せられる。それが敵ではなくて、シモンだと気付くのにはそう時間は掛からなかった。

「あの姿は…」
「あ、そっか。暗闇の術者が見えてない訳ないよね。本当に味方なら、皆にはナイショだよ」
「…彼女にも何か事情有るんだな。そういう事なら」

魔力の質が変わったのを肌で感じていれば、私には全く暗闇しか見えないけど…シモンはそうじゃないんだろう。見える事が少しだけ羨ましい気もしたけど、口止めする事も忘れない。

「何度暗くしようと同じ事！火竜の咆哮！！」
「技まで…！」
「貴様も火竜の仲間なら、どれ程強いか知っているだろう！！！」
「 ── 馬鹿言わないで。…ナツの火は魂が篭ってる分、もっと熱いっての…！！」

視界が役に立たない所為か、聴覚がいつもより鋭くなっているようで。火に水を掛けた時のような、ジューッと言う音が聞こえて来る。かと思えば、風の切る音と次には派手に聞こえた衝撃音。

「ホーーーゥ！！！」

「Aに関しては殆どの情報が無かったが……これ程までに強いとは」
「シモン。もう解いても大丈夫、有難う」

「わっ、明るい」

Aが声を掛けると解けた魔法。数度瞬きをして明るさに目が慣れた頃、辺りを見回せば…倒れている梟と、吐き出されたらしいナツ。そして外套を羽織り、フードもしっかりと被ったいつものAが居た。

「アクア」
「はい！」
「貴女とハッピーは他の仲間を探して、此処を離れて」
「えっ、何で…！？」
「エーテリオンが落ちるって事、忘れた？グレイ達を巻き込む前に離れるの」
「Aは？」
「エルザを連れ戻す為に上に行く。…脱出する時には少人数の方が良いから」

お願い出来る？とまるで小さな子に尋ねるような声色に、子供じゃないよと笑みを見せる。そして、任せて！と頷いた。

「シモン。貴方は？」
「勿論、オレも行く」

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