FAIRY TAIL - 蒼穹の巫女 - 02 (ページ2)

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第9話：楽園の塔（ 1 / 3 ）ページ2

「 ── A！」
「？何、慌てて…」

その翌日の夜。ポーリュシカさんに水を貰っていれば、急に現れた白虎。その表情は昨日の笑顔とは一変していて、険しいもの。

「エルザやアクア達が連れて行かれたらしい！」
「…連れて行かれたって、どういう事？」
「キャンサーからレオに伝わって、えーっと、それで」
「要領を得ない説明だねえ。少しは落ち着きな」

慌てているのか、白虎の要領を得ない言葉に益々混乱していれば、同じ部屋におり、何やら薬の調合をしていたポーリュシカさんも同じ感想を抱いて居たらしい。

「エルザ達はアカネに行ったんでしょう。…其処で何か有ったって事？」
「そう！其処にエルザの昔の仲間を名乗る連中が現れたらしくて…何故かアクアとハッピーまで一緒に連れて行かれたらしい」

エルザが捕らえられるとする意味も分からないけど、昔の仲間というからには何かしらの因縁が有るのだろう。だとしても、何でアクアとハッピーもなのか。( 一方なら巻き込まれただけかと思えるけど )

「行き先は分かってるの」
「昔の仲間だって言う男のひとりが〝楽園の塔〟って言ってたらしいけど」
「楽園の塔…」
「ナツ達は先に追っ掛けて行ったらしい。つー訳で向こうにルーシィが居るから、星霊界の服着て行けば、直ぐに着く」
「分かった。直ぐに準備する」

彼の言った楽園の塔という言葉に何処で聞いたようなと考えていれば、服を差し出した白虎に有難く受け取ると別室に移動した。

「腕を出しな」
「ポーリュシカさん」
「助けに行こうとするのは構わないけどね…マカロフん所のガキは皆、何かしら事情を抱えてる。アンタと一緒でね」

着替えようとした時、ノックをして入って来たポーリュシカさん。その手に有った包帯を右肩から右腕に掛けて巻いてくれる。

彼女はマスターと古くからの付き合いが有るらしく…ギルドの顧問薬剤師をしてくれている位だから、私の事情を知っているように他の人の事情を薄らとでも知っていても可笑しくはない。

その言葉に頷いては着替えを済ませる。そして最後に一緒に用意されていた外套を羽織って部屋を出た。

「 ── Aさん！！？あれっ、キャンサー喚んだつもりだったんですけど！？ Aさんって星霊だったの！！？」

白虎に星霊界に連れて行って貰ってレオと共にルーシィの方へと行こうとしたものの、着替えを持って来て欲しいと頼まれたらしいキャンサーに急遽変更。

突然、現れた事には申し訳ないと思うけど…こんな場面でもルーシィの突っ込みは冴えているようだった。

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