FAIRY TAIL - 蒼穹の巫女 - (ページ40)

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「 ── 不意打ちとは卑怯ですねェ、蒼穹の巫女」
「…アンタがそれを言うの？」

ハッピーがグレイ達の傍に行き、エルザが回復薬を見るのを見届けた時、立ち上がったジョゼ。スピードもあったけど、魔法を一切使っていない攻撃では大したダメージが与えられないのは分かっていた。

それにその異名らしき物は一体、いつ付けられたのか。エルザも知らぬ間に妖精女王(ティターニア)と呼ばれていたとは聞いているけど。

「……クク、よく暴れまわる竜(ドラゴン)だ」
「…案外、早かったな」

派手に音を立てて壊れていく魔道巨人、基ファントムのギルド。此処まで来るのに時間があった事は分かっているけど、火竜VS鉄竜の勝負には決着が着いたのかもしれない。

「ナツの戦闘力を計算出来ていなかったようだな……。わ…私と同等かそれ以上の力を持っているという事を…」
「フン…謙遜はよしたまえ、妖精女王。君の魔力は素晴らしい。現にこの私と戦い…ここまで持ち堪えた魔導士は初めてだ。そんな強大な魔導士がねぇ…マカロフのギルドに他にもいたとあっては気に食わんのですよ！！！」
「うあああっ！！」
「エルザ！！」
「構うな！！」

ジョゼの魔法をまともに食らったエルザがその衝撃で部屋の壁に激突する。エルザの言葉にハッとして前を見れば、私の方も余所見している暇はないらしい。辛うじて向けられた攻撃を避けた。( 何て、禍々しい魔力…向かい合うだけで吐き気がする )

「何故、私がマカロフを殺さなかったかお分かりですか？ ── 絶望。絶望を与える為です。目が覚めた時、愛するギルドと愛する仲間が全滅していたら、どうでしょう？くくく…悲しむでしょうねぇ」
「そんな事の為に…」
「何とでも言え！！あの男には絶望と悲しみを与えてから殺す！！！ただでは殺さん！！苦しんで苦しんで苦しませてから殺すのだァ！！！」
「下劣な…」

次々と繰り出されるジョゼの魔法を避けるばかりで、反撃に転じる事が出来ず。加えて、彼の口から出る外道な言葉の数々に気分は害される一方で。

「幽鬼の支配者はずっと一番だった。この国で一番の魔力と、一番の人材と、一番の金があった。……が、ここ数年で妖精の尻尾は急激に力をつけてきた。エルザやA、ラクサス、ミストガン、ギルダーツの名は我が町までに届き、火竜(サラマンダー)の噂は国中に広がった。いつしか幽鬼の支配者と妖精の尻尾はこの国を代表とする二つのギルドとなった。気に入らんのだよ。もともとクソみてーに弱っちいギルドだったくせにイ！！！」

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