FAIRY TAIL - 蒼穹の巫女 - (ページ32)

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「大丈夫。15分も有れば、ジュピターを壊せる」
「 ── A！」

そんな中、凛とした声が響く。皆の視線が其方に向く中で立っていたのは外見では判断しにくいけど…Aで。

「そうか…身体へのダメージが思ったより少ないのは…」
「咄嗟に掛けはしたけど、アレの前じゃ気休め程度。ジュピターを受け止めようとするなんて、どうかしてる。……お陰で皆が守られた訳だけど」

意識はあるようでゆっくりとでは有ったものの、Aを見上げたエルザ。そんな彼女に対して、Aの声には少しだけ呆れが含まれていた。

「戦える者は？」
「オレは行けるぞ！！」
「あの建物の中にはジュピターを発動させる為の魔水晶が有る筈。それさえ、壊せれば発動出来ない。…やれる？」
「おう！！」

エルザに少し待っててと声を掛けた後、皆を見回しながら声を掛けるA。それに真っ先に答えたナツで。任せろ！と頼もしく頷いた彼に真っ黒な手袋の上から火を造り出す。

ナツがそれに食らい付いている間に続けて声を上げたグレイとエルフマン。そんな3人に移動速度、攻撃力強化、防御力強化を付加し、更にナツには対象者のバランス感覚を養わせる ── 今は酔い止め代わりの〝トロイア〟を掛けたA。

「お願い」
「おう！！行くぞ、ハッピー！！」
「あいさー！！」

ハッピーに掴まれて一気に飛び立ったナツ、それを追い掛けるように掛けて行くグレイとエルフマン。それを見届けると、腰のホルダーに触れてひとつの鍵を取り出した。

「フェニックス、皆の治療をお願い」
「チッ、何奴も此奴も大怪我しやがって。大体、お前もこんな時しか呼ばねえのがクソムカつく」
「口悪ッ！！」
「それがフェニックスなのです」

Aの四象以外に居る星霊、鳳凰座のフェニックス。折角の美青年なのに、口が悪いのが玉に瑕。突っ込んだマカオ達に苦笑いしてそう言うしか無かった。

そして、そんなフェニックスが造り出した赤と青のコントラストが美しい炎が全員を包み込む。決して熱くないそれは一斉に皆の傷を癒して行く。

「カナ」
「分かってる！残りは此処の守りを固めるよ！！」
「「「オウ！！」」」

そんな中でAに声を掛けられたカナが、皆まで言わなくともと言わんばかりに皆に声を掛ける。エルザ達レベルで付き合いが長い為か、息はぴったりのようで。

「他の怪我人は」
「ギルドの方に」
「ロキ、テメェで良い。案内しろ」

鋭い目付きでロキを睨んだフェニックス。ロキは一瞬、気圧された様子を見せたものの、直ぐにギルドの方へと足を向けた。( こ、怖… )

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