FAIRY TAIL - 蒼穹の巫女 - (ページ28)

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「建物を中心に術式は張って来た。一先ず、これで逃げられる人は居ない。術式を解けるような高度な技術を持った魔導士がいなければ、だけど」
「まあ、持ってたら…盗賊やってないで、魔導士ギルドにでも入ってるだろ。それが正規か、闇かはまた別の話だが」

( それは言えてる ) フリード直伝の術式。今回は時間が無かったから簡易な物でしかないけど…相当な手慣れが居ない限りは破られる事は無いはず。

「貴方達は入口や窓の方を見張って、中から出て来た奴らを片っ端から捕らえて欲しい」

私の言葉に頷いてくれたルーンナイトの面々に安堵の息をつつ、この戦法なら評議員の増援を待たなくとも、逃がさずに全員を捕らえる事が出来るだろう。

「お前は何処に行くんだ」
「…自分で言った事、忘れたの？潰しに行く気かって。私、否定したつもりは無いけど」
「…嗚呼、そう言えばそうだったな」

エイトに貰った手袋をしっかりと着け直して歩き出そうとすれば、また引き留められたものの、今度は歩みを止めずに口を開いた。

「それに毒や麻痺なんて状態異常を引き起こす道具使われたら、面倒なのはそっちでしょ」
「返す言葉も無い。…なら、俺の魔法を使おう。俺の魔法なら一瞬で建物の中に入れる」
「本当に？」

詳しく説明もないまま、直ぐに戦闘開始だと私の肩を掴んだドランバルト。そして瞬きする暇もなく、景色が変わっていた。

「何処から入って来た、テメェら！！」
「オイ、片方は評議員だぞ！！」

建物の中も中、中心部に姿を現した事で一瞬にしてパニックに至る盗賊団。私は未だしも、ドランバルトの正体は服装だけで一目瞭然。評議員が此処に居るなんて、馬鹿でも分かる。

「全員、その場を動くな！！歯向かえば、容赦はしねえぞ！」

評議員らしからぬ台詞だとは思うけど、その言葉に盗賊達はふたつの動きを見せる。扉から逃げようとする者、そして武器や魔法を使って歯向かおうとする者。

彼の言葉に乗っ取って、歯向かうものには容赦なく魔法をぶつけて行く。そして5分と経たずに盗賊団は全滅。お頭と呼ばれていたこの盗賊団のトップと思われる男もドランバルトにあっさりと拘束されていた。

「負傷者は？」
「捕らえるだけでしたので。それに此処にも沢山の道具が有ったのですが…先程、注意して触れるように仰って下さっていたので、被害は有りません」
「なら、良かった。……後は任せて良いんでしょう」

増援の護送車に盗賊達が乗せられて行く中で、怪我の有無の確認。そしてドランバルトに目を向ければ、私は帰ると告げた。

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