FAIRY TAIL - 蒼穹の巫女 - (ページ27)

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ルーンナイトの面々が商人達の安全を確認している間、捕えられた盗賊達へと近付くと二、三話を聞く。因みに腕に巻き付いたままだった拘束具は接触面に触れないようにと注意しながら、ルーンナイトの一人に渡した。

「お姉ちゃん！！今度、お父さんのお店に遊びに来てねー！！」

少女を含めた商人達はルーンナイトの一部が街まで護衛してくれるようで。彼等にお礼をしたいとは言ってくれたものの、偶々居合わせただけだからと断りを入れる。そして馬車の中から手を振る少女に、軽く手を上げて見送った。

「じゃあ、私はこれで」
「ちょっと待て」
「…何」

先程までの騒動が嘘のように一気に静かになったこの場所に残ったのは拘束されて護送車に乗せられている盗賊達と護衛に回った一部を除いた部隊。もう大丈夫だろうと思いつつ、去ろうとすれば、彼の手が肩に乗って引き留められる。眉を顰めつつ、振り返った。

「ひとりでは行かせないぞ」
「…何の話」
「お前が半ば脅してアジト吐かせたのは、俺にも聞こえてたんだよ。ルーンナイトが増援して捕まえに行くとは言ってたが……それを待たずに潰しに行く気だろ。ミストガン同様、裏で動くのはお前も得意だろうからな」

手首に巻かれたままだった毒や麻痺の拘束具をお返ししようかと言っただけで、脅すなんて気持ちはこれぽっちも無い………つもり。( ……結果的に彼等がアジトの場所を吐いた事には変わりないけど )

私の行動を先読みした事が嬉しかったのかは知らないけど、どうだと言わんばかりの彼に妙にイラッとさせられる。然し、此処で声を上げたってどうしようもないと思い止まる。

「15人も向かわせたって事は強盗を確実にする為。成功してたら、積荷と一緒に戻り始めてても可笑しくない位には時間が経ってる。此方の状況を知れば、逃亡する可能性が高い。増援なんて待ってたら、逃げられるのがオチでしょう」
「……それもそうか。なら、俺も行く」
「…戦えるの？」
「諜報部とはいえ、評議員のひとりだぞ？それに評議員からの依頼にすれば、妖精の尻尾の評価も少しは良くなるかもしれないしな」

評議員の中では割と付き合いは有る方だと思うけど、彼が何の魔法を使うかは知らなくて。そういう言い方をするなら自分の身を守る位の戦力は有るのだろう。

( 正直、自分の出世の為って気もするけど… ) それに盗賊団を全員残らず捕らえたとして、それで名誉が回復するならマスターも苦労はしてない気がする。そんな事を思いながら、玄武に護送車を任せて、ドランバルトやルーンナイトと共にアジトへと足を向けた。

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