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「Aちゃ、」
「私が行きます。ティナさんは評議員に連絡を。…襲われた場所は?」
「お、お姉ちゃんは魔導士なの…? ── あ、その紋章…妖精の尻尾の……!」

言わなくともと頷けば、驚いたように目を見開いた後、お願いと頷いたティナさん。場所を聞く為に少女を見れば、戸惑ったような瞳が見えて。…服を少しだけ上げて腹部に有るギルドの紋章を見せれば、その目を輝かせた。

「あ、彼処…!」

案内すると立ち上がってくれた少女を抱えて走り始めて、暫く。町外れの山の中に、その集団は居た。高所に辿り着き、その場を見下ろせているお陰で状況が良く分かる。

馬や積荷を必死に守ろうとする商人の集団と、盗賊と思わしき男達がざっと15人。少女を後ろに匿って耳を塞ぐように言ってから二丁拳銃を取り出す。

「…ぐぁっ…!!」
「ど、何処から!?」

そして盗賊に指示を出すリーダー格と思わしき男に狙いを定めて銃弾を放てば、突然の事に慌て出す盗賊たち。狼狽えている隙に容赦無く銃弾を放つ。

「で、出て来い!!卑怯だぞ!!」
「…人の物を盗るような人達だけには言われたく無いけど」

銃弾から逃れたらしい数人が辺りをキョロキョロと見回しながら叫ぶ。その言葉を言う資格は無いだろうと思いつつも、フードを深く被っては、少女を抱えて一気に高所から下へとジャンプする。そして上空、しかも片手では有ったものの…火の鳥を複数、造り出しては盗賊のみにぶつけた。

「お父さん!」
「アン!……この魔導士さんはお前が呼んでくれたのかい…!?」
「うん…!」

少女を降ろせば、そのまま父親の方へと抱き着くのを横目に確認する。加えて全員が一箇所に集まっているのを見ると、守護の結界を張った。

「魔導士か…! あれを使え!!」

結界を張った事で商人達には手を出せないと分かったのか、狙いを私一点に絞って来た盗賊。そして銃弾や片手の造形魔法だけでは甘かったようで、ボロボロながらも15人全員が私に敵意を向けた。

「喰らえ、毒の拘束(ポイズンバインド)!」
麻痺の拘束(パライズバインド)!」
「!」
「ヒヒヒッ、お前の身体は麻痺の効果で動けなくなり、身体には徐々に毒が回る…!」

何処からやるかと考えた時、両手首に巻き付いた何か。良く見れば、それは拘束した者に毒や麻痺の効果を与える物らしい。その効果で動けなくなったと思ったのか、高らかに笑い声を上げたリーダー格に眉を潜めた。

「お、お姉ちゃん…!」
「まあ、私には関係無いけど」
「 ── え?」




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ツバキ(プロフ) - 月の雫(ムーンドリップ)が月の雫(ムーンドロップ)になってますよ! (2019年9月23日 20時) (レス) id: 38cae1e3e3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紗葉 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/F0OOQB  
作成日時:2019年6月10日 21時

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