FAIRY TAIL - 蒼穹の巫女 - (ページ23)

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「これは？」
「前に言ってただろ？色んな武器や魔法を使うけど、一番は拳が多いって。自身の手を守るっていう意味では無いよりはマシかと思って」

開けてみてくれと言った彼に袋を受け取っては、開封。その中から出て来たのはシンプルな黒のグローブ。エイトが仕事で使う指だけが見えるタイプではなく、指先まですっぽりと覆えるタイプらしい。

「それ、クイーンさんと一緒に開発してた物ですよね？ Aさんの為の物だったんですね」
「嗚呼。俺は着けたままでも魔法に支障がないように出来れば良かったんだけどな…シンクに女子はデザイン性や着け心地とかも気にするものだと」
「着け心地悪かったら着けてらんないも～ん！」

着けてみてというシンクにエイトへと視線を向ければ、是非とばかりに頷く。何処かワクワクとした様子の皆に変に緊張しながら両手にグローブを着けた。

「どうだ？」
「凄いぴったり」

小さくもなく大きくも無く、私の為に作られたという言葉が嘘ではないと証明する位にフィットするグローブ。握ったり開いたりしてみるけど、窮屈さは感じないし、通気性も良いようで夏場でも蒸れる心配はなさそうだ。

「魔法の方はどうですか？」
「大丈夫みたい」

デュースの言葉に右手で火を、左手で水を、それぞれ小さく出しては見たものの、何の問題もなく発動する。元々、自身の魔法で火傷したり、怪我をしたりする事は無いけど…服の話はまた別で。

ナツがマグノリアの仕立て屋に火に燃えない特別製の服を仕立てて貰っているように…私も火を始めとして様々な属性の魔法を操る以上、服装には凄く気を使っている。その結果が今着ている外套なのだけど。( グローブまでは気が回って無かったけど、これは凄く有り難い )

「……あ、お金は？」
「嗚呼、金を貰うつもりは無いから良いんだ。プレゼントとして受け取って欲しい」
「え、でも…」
「じゃあ、今度…店に来た時にでも特訓に付き合ってくれたら嬉しい。Aとの特訓は勉強になる事が多いから」

複数の属性に耐えられるようだし、売り出したらそこそこの値段はするんじゃないだろうか。けれど、エイトの心尽くしを無碍にするものも失礼な気がして。迷っている心を察してくれたのだろう、言葉を続けてくれた彼に、そういう事ならと有難く受け取った。

「あ、お店に来た時は私にも声掛けて下さいね？新しい本や、魔導書も揃ってますから！」
「あ、ズル～い！あたしとも遊ぼ！」
「そういう事なら、僕も一緒に魔法について話したい」
「……勿論。有難う、皆」

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