FAIRY TAIL - 蒼穹の巫女 - (ページ18)

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「なッ！？」
「馬鹿な……！？」
「な、何だァ…！？ A、何したんだ！？」
「私じゃない」

私の手に当たる前に、大きな音を立てて割れたデリオラの拳。そして徐々に崩れ落ちて行く身体。その光景が信じられないのか、後ろから聞こえて来る三者三様の驚く声。

「まさか、デリオラは既に、死んで……！」

跡形もなく消えたデリオラの身体に、玄武を見る。矢張り、殆ど生命反応が無いことに気付いていたのだろう。頷くと星霊界へと戻って行った。

「10年間…ウルの氷の中で命を徐々に奪われ、オレ達はその最後の瞬間を見ているというのか…！敵わん…！オレにはウルを越えられない…！」
「スゲーな、お前の師匠！」
「有難う、ございます…！師匠…！」

デリオラという厄災だけではなく、グレイが抱いていたであろう闇さえも封じた師・ウル。静かに涙を流すグレイに、小さく息を吐いた。

── 彼女(ウル)の氷は溶けて水になり、そしてそれは海へと流れて行く。＂それでもウルは生きてるんだ＂とグレイはそう言っていた。そう思えたのは私も同じで。海となった彼女は、ふたりの弟子をちゃんと見守ってくれているはずだ。

《主様ー！》
「おかえり、朱雀。有難うね、ずっと探っててくれて」
《ううん、どう致しまして！それでご報告！》

エルザ達よりも先に神殿を出て、朱雀と合流する。彼女の伝えてくれた〝島の周りの状況〟。それを聞いている間にエルザ達が戻って来た。

「A～！」
「お疲れ様。エルザ達と合流してくれて有難う」
「まあ…ぶっちゃけ、その他は何にもしてないけど！」

フードを被ったままでも、私を判断する事は容易だったようで飛んで此方にやって来たアクアに声を掛ける。あっけらかんとしたアクアの言葉に思わず苦笑した。

「3年前。この島に来た時、村が存在している事は知っていた。然し、オレ達は村の人々達には干渉しなかった。奴等から会いに来ることも一度も無かったしな」

( 成程 ) その話を聞いた後、エルザ達よりも一足先に朱雀が島を降りて来る際に見つけたという村へと足を向ける。其処には村人が大勢居て。

アクアの持っていた魔水晶越しに聞いた＂夜になると悪魔の姿になる現象＂という事なんだろう。デリオラ程の恐ろしさは無いけれど、確かに人間と呼ぶには違っていた。

( 朱雀の報告と、リオンの言葉を考えると… ) 彼の語った言葉で、村人に何が起こったのかは察する事が出来た。月の魔力は人体に影響を及ぼさないという事は ── 。

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