FAIRY TAIL - 蒼穹の巫女 - (ページ14)

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「10年前、ウルが死んだのはオレの所為だ。……だが…仲間を傷付け、村を傷付け、あの氷を溶かそうとするお前だけは許さねェ。共に罰を受けるんだ、リオン」

ナツと、水色の青年 ── リオンと呼ばれた青年の間に立ったグレイ。デリオラを何とかしなければ行けないのは事実だけど、グレイの様子が妙に気になって…ひとりだけ、この場を離れる事は出来なかった。

「…ッ！その構えは絶対氷結(アイスドシェル)」
「絶対氷結…！？」
「貴様、血迷ったか…！」
「今すぐ、島の人達の姿を元に戻せ！そして仲間を連れて、出て行け！……これは、お前に与える最後のチャンスだ」
「成程。その魔法は脅しか。くだらん！」

── 「確かにウルはオレ達の前から居なくなった。でも、ウルは未だ生きている」

両手を交差するように構えた事に息を呑むリオンと、ナツ。その反応、グレイの言葉、そして彼の周りを囲むように発生するとんでもない程の魔力と冷気に、嫌でも察する事が出来た。── 絶対氷結は術者の肉体を氷に変えて、対象者と共に永久に封じ込める魔法…！

「この先、何年経とうが…オレの所為で、ウルが死んだという事実は変わらねえ。何処かで責任を取らなきゃ行けなかったんだ…！それを此処でやる。死ぬ覚悟は出来ている…！！10年前からなァ！！！」
「本気なのか…！」
「答えろ、リオン！！共に死ぬか、生きるかだ…！」
「やれよ！貴様に死ぬ勇気はない！有る筈がない…！」
「残念だ……！」

「「 ── グレイ！！」」

より一層、強くなる冷気。このままじゃ駄目だと彼を止める為に足に力を入れようとした時 ── 、

「これで終わりだ！絶対 ── グァ！！」
「！？ナツ…！」

私よりも動いていたのは、ナツで。思い切り、グレイの頬を殴って魔法の発動を辞めさせた。( ……あの魔力の中を魔法無しに行くとは思わなかった )

「勝手に出て来て責任だ何だ、うるせェんだよ！！人の獲物、取るんじゃねえ！！」
「え、獲物！？」
「彼奴は、オレが倒すんだ！！」
「な…！オレにケジメつけさせてくれって言ったじゃねえか！！」
「＂はい、了解しました＂って、オレが言ったかよ？」
「テメェ……！」
「お？やんのか？」

( 止めてくれたのは有難いけど、何で喧嘩するかな… ) 魔法を止められ、膝を着いたグレイも立ち上がるとナツの胸倉を掴み、完全に喧嘩腰で。

「彼奴との決着は、オレがつけなきゃならねえんだよ！！死ぬ覚悟は出来てんだ！！」
「死ぬ事が決着かよ？あ？逃げてんじゃねえぞ、コラ！！」

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