FAIRY TAIL - 蒼穹の巫女 - (ページ11)

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「……それで、Aはどうした？」
「あ、島を見て回ってるんだと思う。私はナツ達を探して欲しいって頼まれたんだ」
「そうか」
「…所で、どういう状況なの？」
「ええとね…」

グレイを追うと言うエルザに着いて飛びながら、ハッピーに声を掛ければ、そのに至るまでの状況を最初から教えてくれる。

「月の魔力が、この島の人に影響を及ぼしてるんだって」
「月の魔力？」
「あい。元々此処は古代から月の光を蓄積して、島全体が月のように輝く美しい島だったらしいんだ。けど、何年か前に突然、月の光が紫色に変わっちゃったんだって」

昼間は一部だけだけど、夜には月が登ってその魔力の影響で全身が悪魔のような姿になってしまうとハッピーは続けた。( 月の魔力…うーん、怖い )

「所で、その魔力とグレイがボロボロなのは関係有るの？月壊そうとして、跳ね返されたとか？」
「違ェよ！人間に月が壊せるかってんだ。これはリオンにやられたんだ」

話の途中でグレイと合流。Aが依頼を受けた事を説明した後、傷について尋ねれば、鋭い突っ込みが返って来る。( ぶぅ、別に本気で言った訳じゃないのに… )

「リオンって誰さ。それに何処に走ってるの？」
「分からずに着いて来てたのね…リオンって言うのはグレイの昔の知り合いなんだって。それと今向かってるのは、この島にある〝月の神殿〟。その地下に〝デリオラ〟っていう災厄の悪魔が居たの」

次に説明をくれたのはルーシィで。デリオラとは何ぞと思ってしまったけど、良く考えて見れば、本か何かで見たような気も。

確か、10年くらい前にイスバン地方を荒らし回って多くの人を死に至らしめた悪魔がそんな名前だったような。

「でも、それって誰に倒されて、尚且つ何処かに封印されたんじゃなかったの？」
「嗚呼、オレの師匠・ウルがな。でも、リオンが移動させたんだ。月の魔力…〝月の雫(ムーンドリップ)〟で、氷を溶かし、デリオラを復活させようとしてる」
「えっ、何でそんな事するの」
「デリオラを倒す。…それが奴の目的だ」

予想外の出来事に流石はS級クエストと言わんばかりの困難の積み重ねだなあと他人事のようにぼんやりと思った。

「リオンは昔から、ウルを越える事だけを目標にして来た。だから…そのウルが居なくなった今、ウルの倒せなかったデリオラを倒す事でウルを越えようとしている」
「そうか…死んだ人を越えるにはその方法しか…」
「いや、彼奴は…リオンは知らないんだ」
「え？」
「確かにウルはオレ達の前から居なくなった。でも、ウルは未だ生きている！」

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