15 ページ15
「何か気になるフレーバーある？」
「え、あ…うーん。そのナッツのかチョコチップ…でも今見てたらさっき話してたストロベリーも久しぶりにいいかもって思えてきた」
「OK」
素直に迷いを口にしたオレに聞こえてきたのはたった一言。
へ？と思ってガラスケースにやっていた視線を上げると相葉さんが任せろ！とでも言うようにサムアップをしてきた。
なんか、嫌な予感がする…
漠然と抱いた思いに思わず眉を寄せれば、その予感は見事に的中した。
おもむろにカップを手に取ったかと思うと、そこにナッツメドレーをよそう相葉さん。
そこで止まるかと思いきや、続いてチョコチップも乗せていく。
え、え…どういうこと！？
困惑するオレの目の前で最後にストロベリーまで乗せ終わると満面の笑みで大盛りのカップがオレに差し出された。
「ちょ…こんなに」
「スペシャルって言ったでしょ」
「っ…」
「俺の奢りだから遠慮せず全部食べちゃって！」
「…こんなに食えないって」
「あひゃひゃ、やり過ぎた？」
手にしたカップはズッシリと重い。
刺さったスプーンで少しずつ口に運ぶと、どれも予想以上に美味しく感じられた。
冷たい甘さが歩いて火照った身体の中に染み渡っていく。
「どう？」
「…美味いけど」
そう言えば、相葉さんがうれしそうに笑う。
店の中には食べるスペースはなくて、店の前にベンチとゴミ箱が置かれているからそこで食べるのが暗黙のルール。
だけど今日この時間はオレの他にお客さんがいないからか、中で食べていても黙って見過ごしてくれていた。
正直、この暑さじゃ外に出たら一斉に溶けはじめる。
さすがにこの量を食べきるにはある程度の時間が必要で、涼しい店内にいさせてもらえるのはかなりありがたかった。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 620人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
LILY(プロフ) - いちさん» いちさん、お久しぶりです。私も含めみなさんそれぞれに思うところはいろいろあって、折り合いをつけるのも大変ではありますが…私はそれでも好きな人には幸せでいて欲しいなと思います。もちろん想い、悩み、苦しい思いをする人たちもみんな…ね！ (2019年11月14日 5時) (
レス) id: ec7070c826 (このIDを非表示/違反報告)
いち(プロフ) - LILYさん、ご無沙汰してます。あれから8年か、ひと昔。皆さんには幸せになって貰いたいですねー。 (2019年11月13日 9時) (レス) id: 8e7e2c351d (このIDを非表示/違反報告)
いち(プロフ) - LILYさん、ご無沙汰してます。あれから8年か、ひと昔。皆さんには幸せになって貰いたいですねー。 (2019年11月13日 9時) (レス) id: 8e7e2c351d (このIDを非表示/違反報告)
LILY(プロフ) - えーすさん» えーすさん、ありがたいお言葉！！気が早いけどその後のふたり…私も彼らが再びやってくるのが楽しみです♪冬のアイスクリームもきっとふたりあったかい部屋の中で食べたなら格別に美味しいはず！返信遅くなってしまってごめんなさい！そして最後までありがとう(≧∀≦) (2019年8月31日 4時) (レス) id: ec7070c826 (このIDを非表示/違反報告)
えーす(プロフ) - 気づけば８月も終わり。二人の恋も穏やかな秋に深まっていくのでしょうね！もう勝手にone year laterを楽しみにしております！ (2019年8月30日 2時) (レス) id: 637fc1061e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：LILY
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/list/Colorfulstory/
作成日時：2019年8月1日 5時
