この薄汚れた世界の中で

#2 反省会後 ページ6

抗争後､予定の無い私は1度部屋に戻る事にした
私はまだ世間的には高校生｡実力があるとはいえ､他のDABAメンに比べて劣る｡

…だから､あの悲劇が起きた｡
もう2度と繰り返したくない

『勉強…するか…』

そう呟いて部屋のドアを開けると
｢おかえり､A｣
当然の様にテレビを占拠している一つの影
しかも…パンイチだと?!

『潤兄せめて服は着て､ってあれほど!!』
｢おー､悪ぃシャワー借りた…あれ､A?｣
そう言ってぐいと顔を近づけてくる

｢…もしかして俺の裸に興奮しちゃった?｣




いつの間にか私の腰を抱き寄せ､耳元で囁く




確かに白くて引き締まった身体は魅力的ではあるしそれに加えて良い声なら､しなくもな……

いやいや駄目だろ､ペースに飲まれちゃ
『潤兄､そんな手使っても駄目』
冷たく言い放ち､回された手を振り払う

｢ちぇー､Aのケチ｣
不貞腐れながらも服を着始めたこの人は福山潤
部屋が隣で､DABAの中で最初に仲良くなった人
妹って呼ばれるから､私も潤兄って呼んでる


『まぁいいや｡私隣の部屋で着替えるから』
｢それは…お誘いかな?｣
ニヤニヤしながら聞いてくる潤兄
…そっちがその気なら




『私が成人してからなら､来ていいよ』

過去最高に妖艶な顔してたと思う
満足した私は､スキップで部屋へ向かった









｢そんな顔されたら襲っちゃうだろ…バカ｣



ーーーーーーーーーーーーーーー


｢菜々美ちゃん､居る?｣

しばらくして玄関先からDさんの声

｢お世話になってる所に行くんだけど､一緒に行きませんか?挨拶も済ませられるし｣
『!!…行きます!今開けますね』
気遣いが有難くて､自然と声が弾む
でも流石に部屋着じゃ行けない…

『少し待ってて下さい､着替えるので｡』
私は急いで白シャツにスラックス､潤兄から貰ったネックレスを付けて扉に向かった

あー潤兄が居る…何かまずい気がするぞ
急いで2人の元へ駆け寄る
｢まぁ､…アヤシイ関係ってやつ?｣
『私未成年なので､それは犯罪です』
｢じゃあ……菜々美は俺の妹だから｣
『それだとさらにアウトです』

危な…案の定危ない方向に進んでたよ
一応追加で弁明をしておく
『勉強とか教えてもらう為に呼んでたんです｡
部屋も隣で近いですし…気づいたら居るようになっちゃいましたけど笑』
だから何も無いですよ､と笑う
潤兄はどことなく不満な顔してたけど
私はDさんの手を引いて､足早に部屋を後にした




潤兄が何か言った気がしたけど
何だったんだろう

・(小野side)→←#1 反省会(櫻井side)

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す