この薄汚れた世界の中で

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神谷｢菅沼｡こいつについて今調べられる?｣
菅沼さんに写真を手渡す｡

菅沼｢了解です……人身売買､組織の買収…結構やってますね､この人｡｣

木村｢でしょ?甘い汁を吸って､玉座にふんぞり返ってるただのジジイ｡あまりに使えないから､ボスも何回か引退を促したけど……聞き入れる気が無いみたいで｡｣

それなら消してしまおう｡間違ってない判断だ｡でも……
『我々へのメリットは?』

DABAが消して､TRIGGERの恨みを買うんじゃ仕方ない｡こちらにも相応の得が無ければ､受けるのは厳しい

木村｢これでどう?｣
ニヤリと笑った木村さんがこちらに寄越したのは､先程まで弄んでいた1枚の紙｡
そこに記されていたのは
『"FIRSTとの停戦表明､及び謝礼について"?』
ボスとやらの直筆だ｡ご丁寧に拇印まで…


神谷｢停戦と､それなりの謝礼は保証するから手を貸せって事?｣

木村｢上に許可は取りました｡相手様に怪我はさせるな､とも言われましたが｡｣
苦笑いしながら､こちらの出方を窺う｡

神谷さんは1つため息をついて､
神谷｢で?作戦は?｣
木村｢Aに協力して貰います｣
『は?ここで私?』
木村｢そう｡島田は､お前との肉体関係を望んでいる｣

その瞬間､部屋中の空気が凍りついた｡

立花｢……気持ち悪｣
吐き捨てるように立花さんが呟く｡
私も思った｡島田､ロリコンかよ

木村｢だからそこを狙うの!Aがハニートラップを仕掛けた所で､スパーンと｣

何言ってるんだこの人


＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

数十分後
『あぁ〜､了解』

作戦はこう｡
まず､午後11時｡島田の従者役(木村)がAを呼びに来る｡
その後､部屋へ入り､Aが島田の隙を作った瞬間を櫻井が狙撃し､木村の部下に回収してもらう｡以上｡

『ガチで襲われたらどうしてくれるんですか』
木村｢大丈夫､Aにも従者付けるから｡最悪そこで止めればいい……立花さん､お願いしても?｣

立花｢勿論｡｣
木村｢じゃ､明日にでもドレスを送るよ｡｣
そうして木村さんは颯爽と去っていった

梶｢僕らも居るから､手伝える事があったら言って?｣
裕史｢僕と健児も参加する｡また連絡して｣
そう言うと残りの2組もそれぞれ帰っていった

重苦しい空気の中､
櫻井｢……A｣
『はい』
櫻井｢お前､前みたいに……いや､何でもない｡｣
『?』
櫻井｢頑張ろうな｣
『はい､そうですね…?』

そんな2人の噛み合わないやり取りを､睨みつけるように見ていたのは




＿＿＿＿立花ただ1人｡

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