＋2℃.

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＜北side>







同じベッド。同じ布団の中。

なのに背を向けあってるこの状況と、

少しの空いた距離が凄く藤ヶ谷を遠くに感じさせた。



普段仕事中とかの距離なんてもっと離れてるのに、

いつもよりずっとずっと近くにいるはずなのに、

いつもよりずっとずっと遠くに感じる･･･。



いつも1人でも十分に暖かい布団が、

2人で寝ると少し暑いぐらいの布団が、

なんか凄く寒く感じて俺は肩をすくめた。









『ｷﾞｼｯ･･･』


北 ｢･･･｣


『ｸｲｯ･･･』


藤 ｢･･･｣


北 ｢なぁ、さみぃんだけど｣


藤 ｢･･･｣


北 ｢なぁって･･･｣









体の向きをまた藤ヶ谷に向け、

服を軽く引っ張ったり声をかけてみたが全スルー。






っんだよ馬鹿。こんな事で拗ねんなし。






･････････って、だから馬鹿は俺か･･･。

折角会えたのに、一緒なのに、

俺はプライドってか相変わらず自分の事ばっかで･･･。



でもさ、今までこんな感じなかったじゃん？

こんな恋人っぽくなかったというか、

俺がそんなソコを意識してなかったと言うか、

それがクソ恥ずかしいと言うか、なんつーか、

あーーもーーっ！なんて言ったらいいか分からんっ！！









分からんがコレだけは今わかってんぞっ！！！！









北 ｢藤ヶ谷･･････一緒なのにこれじゃ･･･ｻﾐｼｲ･･･｣


藤 ｢･･･｣


『ｷﾞｼｯ』


北 ｢！｣


藤 ｢北山が悪い｣


北 ｢･･････ｵｩ、ｽﾏﾝ･･･｣









クルッと顔だけ向けたその目は少し冷たく見えた。









北 ｢･･･｣


藤 ｢･･･ﾌｯ｣


北 ｢？｣


『ｷﾞｼｯ』









が、その冷えた目で刺されると、

すぐに鼻で笑って体をこちらに向けてくれた。









藤 ｢俺だってこんなの嫌だよ｣


北 ｢ｳﾝ･･･｣


藤 ｢でも北山がそんなんだと俺も素直になりづらい｣


北 ｢ﾊｲ･･･｣


藤 ｢だからもっと寂しいって北山も思ってほしい｣


北 ｢へ？｣


藤 ｢もっと疲れたって、癒されたいって思ってほしい｣


北 ｢･･･｣


藤 ｢もぉ照れてるのからかわないからさ｣


北 ｢･･･｣


藤 ｢だから、もっと素直に俺を必要としてよ｣









会いたいっていつも思ってるのは俺だけ？

って、藤ヶ谷の指先が頬をなぞった。

その瞬間カッと体温が上がった。

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