君と僕の温度感。

鬱･苦･死･偉。 ページ13

＜北side>








藤 ｢･･･、･･･、･･････、･･･あ、ちげ｣


北 ｢･･･｣








最近太輔は家では台本と向かい合ってばっか。

台詞をブツクサブツクサ言ってる。









藤 ｢くだらないから勝ちが、ん？価値が？カチ？｣


北 ｢･･･(笑)｣









イントネーション(笑)









藤 ｢かち？あれ？言い過ぎて分かんなくなった｣


北 ｢価値｣


藤 ｢あ、価値。くだらないから価値があるって｣









台詞の覚え方、昔に比べたら変わったな。

昔は1人になって集中しないと駄目だったのに。

今じゃ周りに人が居ようが居なかろうが関係ないもんな。



それだけ余裕がないって訳じゃなく、

昔より仕事も増えて時間の使い方が上手くなったってか、

集中力が格段に上がったんだろうな。

昔はよく｢うるさい、静かにして｣って怒られたもんだ。









藤 ｢行きます！お供します！･･･ん〜･･･｣


北 ｢･･･｣


藤 ｢行きますお供しますっ！！･･･なんかなぁ･･･｣









それにしても今回はミステリーだっけ？









藤 ｢櫻子さんっ！櫻子さぁぁぁん｣


北 ｢･･･(笑)｣









アホっぽいキャラとミステリーねぇ〜。

ミステリーにとっちゃ大事なギャップだよなぁ。



ミステリーって重い、暗い、謎ってイメージだけど、

あーゆー天然っぽいキャラがいることで、

重さや暗さ、あと櫻子さんの謎っぷりが引き立つ。

俺の渓徳もそんなポジションだったし。









北 ｢･･･｣









でも天然の真面目キャラかぁ･･････つまんね。

ドラマ決まったって聞いた時は次はなんだ！？って、

期待したけどまさかの真面目キャラとは。



しかもドMって、ないわぁ〜･･･。

俺はMARSの時みたいなキャラを期待したのに。









藤 ｢あっ、ちょっと、待ってくださいっ！！｣


北 ｢･･･｣









いいんだよ？別に真面目キャラでもさ。

仕事貰えるだけでもじゅーぶん嬉しいんすよ？

本人もドラマ決まって嬉しそうだし？

黒髪短髪も似合ってますし？いいんですよ？

でもさ･･･、でもさぁぁぁぁ･･･。









北 ｢ﾊｧ･･･｣


『ｷﾞｼｯ』


藤 ｢その体勢ツラくない？(笑)｣


北 ｢あれ？終わったの？｣


藤 ｢ん〜ん、ちょっと休憩〜｣









突然隣に座ってくると、

足を投げ出しズルズルとソファーから下がってた俺を、

クスクス笑うから俺はちゃんと座り直した。

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