じゅうはち。(約)十羽の烏のうちの1羽。 ページ19
「すみません、道をお尋ねしたいんですけど」
「はい…は?」
「え?」
トリノ(?)高校の長身ボーイはこちらを振り向くなり驚きと怒りを混ぜたような微妙な声を発した。失礼だなこいつ。顔見えないけど表情も失礼だよきっと。私コミュ障(笑)だから相手の顔見れないけど。
数秒間フリーズしたあと、先に動きだしたのはむこうだった。
「お前…なんでここにいる!?」
「マネージャーだからですが」
「白鳥沢はもう移動してたはずじゃ」
「迷子だから道を聞いたんです」
あわれみを多く含んだため息をつかれた。なんだやっぱり失礼か。
「A……ここ男子トイレの前だぞ」
「ナ、ナ、ナンダッテー!?」
二重の意味でナンダッテー。場所もそうだけどそれよりも名前知られてることに対する驚きが大きい。やっぱりこいつ知り合いなの?
恐る恐る視線を上に向けてみたら、そこには整った顔と私と同色のツヤサラキューティクルヘアが。見下ろされている状態だからか目付きがクッソ悪いように感じ…いや実際に目つき悪いこいつ。
なんだ、
「ジャージ真っ黒だね、不審者感増していいと思う」
「誰が不審者だ!!」
男子トイレ前で駄弁るのもどうかと思ったけど背に腹はかえられなかった。相変わらず語彙力が貧困で面白い。
携帯越しにならよく話してる(主にあっちからの質問爆撃)けど面と向かうのは久しぶりなのである。顔面偏差値少し分けろ。
背面にあった学校名はトリノじゃなくてカラスノ。カラスだから黒いジャージなのかと少し納得した。
「ところでエントランスまで案内してほしいんだけど」
「集合時刻に間に合わなくなるから断る」
「そんなこと言わずに従姉妹からの頼みを聞いてくれよトビーマン」
「悪ィ、人を待ってるんだ」
「そんな彼女とのデートの待ち合わせでナンパされた時の断り方みたいに言わないでさぁ!!!」
「うるせぇボケ」
とはいえこちらもずっとここにいるわけにはいかないので、妥協案として烏野のところまでは同伴していいよ的な流れになった。ツレ待ちらしいけどその子の帰還遅くない?正露丸(糖衣)あげるべき??
オレンジ頭の中学生くらいの半袖ボーイがそそくさと横を通り過ぎているのを横目に駄弁り続けていたら、飛雄が急にそちらを向いて叫んだ。うるせぇ。
「何無視してんだ日向ボケェ!!!」
「オマエがなんか美女と話してるからだろ!?」
あらやだ美女ですって。
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黒瀬 - 読んでめちゃめちゃハマりました!更新楽しみにしています!頑張ってください!! (2020年4月8日 19時) (レス) id: c0f0417cc9 (このIDを非表示/違反報告)
noara(プロフ) - あっすこです…ろくろ首で待ってます!更新お疲れ様です! (2020年3月24日 22時) (レス) id: c5bfb6cb88 (このIDを非表示/違反報告)
レイカ(プロフ) - ヤバイ好きです!メンヘラはじめてでちょっとだけのぞく気でいたらどハマりました!!更新頑張ってください!!! (2020年3月19日 18時) (レス) id: 2f295bf970 (このIDを非表示/違反報告)
霧華 - メンヘラすきです…続き気長に待ってます(゚ー゚*) (2020年3月4日 11時) (レス) id: daf330d400 (このIDを非表示/違反報告)
いちご - ちゅきです (2020年3月3日 9時) (レス) id: 7f42fd7b15 (このIDを非表示/違反報告)
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