いち。一時帰宅？ ページ1
これはいったい…？と思考停止したポンコツ脳みそを無理やり動かしてみた。
現状を確認してみよう。
今朝までは面積が半減しているように感じられるほど散らかっていたはずの自室が、まるで新品のモデルルームであるかのようにピカピカ。自室なのに逆に落ち着けなさそうだ。
タンスや床の木目は、塵の一欠片も許さないと言わんばかりに磨かれたのか、日光を反射するコンクリートのようにキラキラと輝いている。いや日光が反射しているのくだりはただの例えだけど。
更には何となく捨てられなかった元彼たちからの貢物まできれいさっぱり消えていた。断捨離も完璧だ。スッキリ。でもメルリサに出品しようと思っていたものまで消えてるのはいただけない、あれは重要な金ヅルなのに。
なんて、こんな感じで。
いつもなら無知で寛大なマミーが親切心で掃除をしてくれたのかな〜なんて呑気に言っていたものだが、今日はそうもいかないようだ。こればかりは十数時間前の己と神様の気まぐれを呪うしかない。
まさかのまさか、よりによって昨晩
部屋の片付けほどめんどくさいことはないとだらけていた罰なのか。それともパパが隠していたデパ地下の高級プリンをこっそり盗み食いしたせいなのか。
…あるいは2週間くらい前にちょっと後輩の彼氏を寝取ったせいなのか。正直思い当たる節が多すぎて考え出したらキリが無い。
唯一はっきりしているのは、数ヶ月ぶりに会った幼馴染の甘い笑顔の背後に潜む般若の面と、私に弁明の余地がないという実状だった。
彼は私の勉強机に備え付けの椅子に我が物顔で座り、長い足を忙しなく組み換えつつ、手のひらサイズの空き瓶を右手で弄びながら、地を這うような声で私を呼んだ。
｢よぉ、A｣
こころなしか瞳孔が開いているように見える。いや実際に開いている。私にはわかる。年下の女の子の幼馴染にそれは無いだろ〜と茶々を入れられる雰囲気ではない。
｢これは一体どういうことだ｣
空き瓶の隣にまとめてあった薬の包装たちを、瓶弄りをやめた右手でカシャカシャ握りつぶしながら、彼は私にそう言った。
疑問符、なかったね。
有無を言わさないと言わんばかりの鬼の形相(といっても角が生えた素晴らしい笑顔だが)に、思わず後ずさりした私は悪くない。
私は悪くない、不法侵入する方が悪いんだ。
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黒瀬 - 読んでめちゃめちゃハマりました！更新楽しみにしています！頑張ってください！！ (2020年4月8日 19時) (
レス) id: c0f0417cc9 (このIDを非表示/違反報告)
noara(プロフ) - あっすこです…ろくろ首で待ってます！更新お疲れ様です！ (2020年3月24日 22時) (レス) id: c5bfb6cb88 (このIDを非表示/違反報告)
レイカ(プロフ) - ヤバイ好きです！メンヘラはじめてでちょっとだけのぞく気でいたらどハマりました！！更新頑張ってください！！！ (2020年3月19日 18時) (レス) id: 2f295bf970 (このIDを非表示/違反報告)
霧華 - メンヘラすきです…続き気長に待ってます(ﾟーﾟ*) (2020年3月4日 11時) (レス) id: daf330d400 (このIDを非表示/違反報告)
いちご - ちゅきです (2020年3月3日 9時) (レス) id: 7f42fd7b15 (このIDを非表示/違反報告)
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