上弦・参 ページ17
「___がはっ」
伊之助「とっとと起きろ!この弱味噌が!!!」
「...」
杏寿郎「よく耐えてくれた!あの鬼の動きが少し遅くなったのは、君のおかげだろう!」
意識が朦朧としているが、あの鬼が人を喰わないように抗ったのはわかる。鱗滝さんなら、義勇兄なら、みんなならそうするから。私も人を助けたいと思っているから。
炭治郎「...よかった。君の刀だよ」
「ありがとう...よかった...役に立てた...杏寿郎さん...」
杏寿郎「ん?」
「あの時...酷いことを云ってすみません。あなたは...すごく強い...善逸も...禰豆子も...みんな...」
杏寿郎「A、君は死なないぞ!何故ならあら便利、止血セットが列車にあったからだ!」
炭治郎「俺は呼吸で止血したけどな」
「炭治郎...いつ人間やめたのかな...」
杏寿郎さんの笑顔が眩しい。伊之助も乱暴だが、無意識になのか気遣ってくれているように感じた
「...よかった。みんな無事で...」
安心したのも一瞬だった。何かが上空から飛んできたのだ
杏寿郎「...上弦の...参?」
「そんな...何で今...」
杏寿郎「竈門炭治郎、新人の止血を頼むぞ」
炭治郎「...はい」
上弦の鬼は、今までの鬼より恐ろしいものだった。寒気が止まらない
猗窩座「お前も鬼にならないか?」
杏寿郎「ならない」
猗窩座「見れば解る。お前の強さ、柱だな?」
「杏寿郎さんは...鬼になんてならない...なる理由もない。」
猗窩座「娘、人間は老いて死ぬ。杏寿郎、お前も強くなれない。」
だからって
猗窩座「だから鬼になろう。そうすれば百年でも二百年でも...」
杏寿郎「老いることも死ぬことも、人間という儚い生き物の美しさだ。老いるからこそ、死ぬからこそ、堪らなく愛おしく尊いのだ。」
何故二人は死んでしまったのだろう。死ぬ理由なんて何もないのに
杏寿郎さんは、人間が愛しく尊いと云った。この短い人生で、あの二人は何かを見つけたのだろうか
杏寿郎「強さというものは、肉体に対してのみ使う言葉ではない。この少年少女は弱くない、侮辱するな。何度でも云おう。君と俺とでは価値基準が違う」
あの食いしん坊な姿からは想像できない。その人の後ろ姿は美しかった
杏寿郎「俺は如何なる理由があろうとも鬼にはならない」
猗窩座「鬼にならないなら殺す。術式展開、破壊殺・羅針」
杏寿郎「炎の呼吸、伍ノ型・炎虎!!!」
猗窩座「破壊殺・乱式!!!」
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作者名:琲世 | 作成日時:2019年7月18日 11時