俺の話。 ページ39
〜京本side〜
水族館ではしゃいだらやっぱり疲れてしまったのか。楽しかったんだけど。ちょっとウトウトしてるのを誤魔化す為に運転席の奏を見た。
元々中性的な顔立ちはメイクをすれば女性と見間違う程に綺麗で。
昔から大ちゃんと慕ってくれてた。
俺は、多分奏に隣にいて欲しかった。
だから、Mis Snow Manの参加は悔しかった…んだと思う。遠回しに役不足だって、言われたような気がして。
俺が突き放しても、酷い言葉を浴びせても、
いつも奏はそれを乗り越えてしまう。
だからこうして、今隣にいる訳だけど。
バカレアの時も、ギクシャクしてた現場をものの数日で変えてしまった。
奏は、いつも輝いてる。眩しいんだ。
でも、こいつったら……
意外と抜けてるとこあるし、詰め甘いし、結構見通しも甘い。変なところで自分に無頓着だし、なのに人に頼るのは下手くそだわ、無駄に強がりだわ、
「(結局は、俺が隣にいてやんないと。)」
って思わせる。それが神崎奏っていう人間。
お陰様で、グループ内外問わず人気が高いのも事実で。
「(前途多難だなぁ……)」
そう思いながらも、滅多に助手席に人を乗せない主義の奏の愛車の助手席に今居られることに優越感を覚えた俺は、そのまま瞼を閉じちゃったんだけど。
車が止まって起こされれば、何と家に戻ってきていた。
……家、そっか。俺もう、ここが帰る場所なんだって、思ってるんだ。
両親2人は大事だし、あんずも、大事な家族には変わりないけど。
俺の家は、今はここで。
玄関に勢揃いしたもうひとつの俺の家族。
何故か言い争ってるけど。
雲行きが怪しいので見守っていたら
奏「大我、今年は、みんなでご飯だよ。」
「あぇ……?」
突然の事で変な声出た。
森「昨日も今日もパーティ!!」
ジ「昨日は出前だったけど今回は北斗と奏の手作りよぉ〜!!」
北「京本の服オシャレじゃん(小声)」
高「北斗??てか、お前らいつまで玄関に溜まる気だよ」
田「きょも!パーティしよ!おかえり!!」
ワイワイガヤガヤ。
あーもー!!ほんっと!!
サイコーの家族。
俺、良かった。ほんと、幸せ者だ。
「ふふ……」
思わず盛れた笑みに、あんまり分かってなさそうな奏もとりあえず笑ってるし、
みんな笑顔だし、どうやら主役は俺らしいし、
なんだ、これ。最高すぎる。
「ありがとね、みんな。」
もっと最高なのは、そうやって笑えば
「「お易い御用!!!!」」
ってもっといい笑顔が帰ってくる事を、俺が確信してた事。
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作者名:えるち | 作成日時:2021年11月12日 20時