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目黒side
田｢全っ然興味無さそうじゃん！｣
突然笑い出す田中とかいう先輩。
目｢...先輩がなんの用すか｣
そう言って睨んでみれば笑いを止めてこちらを見る。
田｢あー、別に用はねえよ？｣
視線を逸らして遠くを見る先輩。
何かあるのかと同じ方を見るが、そこには古い倉庫があるだけ。
田｢ただ目黒は俺のこと知っといた方がいいかなぁって思ってさ｣
目｢...どういうことっすか｣
田｢まあまあまあまあ、そんなに睨むなって｣
こえ〜、とふざけて笑い出す様子にさらに腹が立つ。
田｢これからたくさんお世話になるかもしれないから、よろしくね？｣
ニヤリと笑って俺の肩を軽く叩くとそのまま帰っていった。
目｢...なんだあいつ｣
言っている意味がわからないのは
俺の頭が悪いせいなのかな。
積み重なる出来事に頭は混乱したまんま。
目｢...あー、イライラする｣
思い切り頭を掻きながら校門を出た。
Aside
あれからどのぐらい経っただろうか。
まだ体から抜けない感覚。
腰に感じる鈍痛。腹部の重み。
それら全てが夢じゃないことを私に教えているようだった。
とりあえずここから出なきゃ...
重い体を引きずって扉を開ける。
もう外は夕暮れ時。
ほとんどの生徒が既に帰った様子だった。
荷物を取りに教室に帰る。
扉を開けると私の席に人影があった。
机に突っ伏して横を向いている。
髪の隙間から見える目は閉じていた。
｢...ふっか？｣
そう声をかければ閉じていた目が開く。
深｢...あれ？俺寝てた？｣
寝起きの声は少し掠れていた。
｢...なにしてるの？｣
深｢...んや、昼休み屋上来なかったから心配でさ｣
目を擦りながら答えるふっか。
深｢メッセージも既読つかねえし...｣
｢それは、スマホ壊れてて...ごめん｣
深｢...あー、そういうこと？｣
心配したぁ、なんて微笑むふっかの笑顔は優しかった。
深｢昼休みは？どうした？｣
｢...あー、先生に呼び出されてて、｣
嘘をつくのはやはり心が痛む。
でも正直に話せるわけがなかった。
深｢...なるほどねぇ｣
｢とりあえず帰ろうぜ、送ってくから｣
そう言って荷物をもつふっか。
それを見て慌てて荷物をまとめた。
深｢あ、そーだ｣
ポケットからなにか取り出す。
深｢これ、｣
差し出した手に乗せられたのは2つの飴玉。
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作者名：なあや。
| 作成日時：2020年5月24日 2時
