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目黒side
｢ねえ、蓮！！｣
昼休み、俺の名前を呼ぶAのことを無視して教室をでる。
『あ！めぐきゅんや！』
『ほんとだ！どーしたの？』
隣の教室に入れば大声で反応する2人。
向井康二とラウール。
1年の時のクラスメイトだ。
にこにこしてこちらを見る2人につられて頬が緩む。
目｢今日から昼飯こっちで食うわ｣
向｢ほんま！？｣
目｢康二うるさい笑｣
向｢だって久しぶりやし、嬉しいやんかぁ｣
ラ｢そーだよ！めめ全然遊びに来てくれないんだから〜｣
目｢お前らも来ねえだろ｣
向｢めぐきゅん彼女さんとイチャイチャしとんのに邪魔しちゃあかんやろ？｣
彼女、という言葉に少し反応してしまう。
それを見逃さないのがラウール。
ラ｢...彼女と何かあったの？｣
目｢...いや、大した事じゃないんだけど、｣
向｢ええで、話してみ？｣
そう言われて昨日のことを話す。
目｢A｣
放課後勇気をだしてAに話しかけた。
ゆっくりと顔が上がり目が合う。
目｢...ちょっと話したいんだけど｣
震える声で伝える。
すると小さく頷くA。
｢...うん、いいよ｣
目｢だけど俺、先生に呼ばれてて...ここで待っててもらってもいい？｣
｢うん、大丈夫｣
微笑んで答えるAにほっとする。
すぐ戻るから、と伝えて急いで職員室に向かう。
目｢失礼しました〜｣
先生の話を聞き終えて職員室を出る。
扉を閉めてすぐに走り出した。
Aにはいっぱい話すことがある。
先走る気持ちを抑えることは出来なかった。
教室の前に着く。
息を整えてドアを開ける。
目｢...あれ？｣
しかし中には誰もいなかった。
Aの机に近づくと荷物すらない。
目｢...帰ったの？｣
俺、話したいって言ったよな？
Aも頷いたよな？
...なんで居ないんだ？
なにか用事があったに違いない、としばらくそこで待ってみるもAが帰ってくる様子はない。
彼女のことをひとりで待つこの状況が
あの週末のことを思い出させて苦しかった。
痺れを切らしてメッセージを入れるもなかなかつかない既読。
......もしかして
最初から俺と話し合う気なんてなかったってこと...？
...なんだよ、そういうことかよ。
次の日の朝、登校してきたAはすぐに俺に謝ろうとしてきた。
でも昨日のことがどうしても許せなくて
結局Aの話も聞かずに一方的に話を終わらせた。
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作者名：なあや。
| 作成日時：2020年5月24日 2時
