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お昼ご飯を食べ終え、階段の下でふっかと別れる。
結局蓮は来なかった。
教室に戻ると自分の席で外を眺める蓮に目が行く。
その姿はやっぱりかっこよくて、画になる。
周りでこそこそ話す女子は、蓮が纏う空気に怖気付いてなかなか近づけないようだった。
そんな彼女らに視線を向けながら自分の席に向かう。
すると途中で蓮がこちらを向くのが視界に入り、思わずそちらを見る。
目と目が合う。
哀しそうな目で儚げに微笑む蓮。
...こんな表情初めて見た。
またすぐに逸らされる視線。
体中に響く鼓動に気づかないように席に着いた。
午後の授業は頭に入ってこなかった。
浮かぶのは蓮のさっきの表情。
あんな悲しい顔をさせてしまっているのは
きっと私なんだ。
そう思うと情けなくて申し訳なくて...
蓮を見るのが辛くて顔を伏せた。
チャイムがなり、今日の授業が全て終わった。
いつもならすぐに荷物をまとめて
蓮と一緒に教室を出る。
でも今日はどうしたらいいか分からず、なかなか動けずにいた。
目｢A｣
頭上から聞こえる声に顔を上げる。
目｢...ちょっと話したいんだけど｣
こちらの反応を伺うように話しかける蓮。
｢...うん、いいよ｣
目｢だけど俺、先生に呼ばれてて...ここで待っててもらってもいい？｣
｢うん、大丈夫｣
すぐ戻るから、と教室を出ていく蓮を見送る。
...何を話すんだろう。別れ話かな？
なんとなく不安を感じながらも帰る準備をする。
『Aさん』
今度は右から聞こえた声。
声のした方に顔を向ける。
『ちょっといい？』
そう声をかけてきたのはクラスの女子4人。
...名前なんだっけ。
まあいいか、知らなくても。
｢ごめん、蓮のこと待ってるから、｣
『そんなのどうでもいいから。荷物もってついてきて。』
...絶対になんか言われるじゃん。
久しぶりの呼び出しに嫌な予感しかしなかった。
｢...じゃあ蓮に連絡だけ、｣
『そんなのいいから！早く来いよ！』
｢あ、ちょっ、｣
そう言って荷物とスマホを取られる。
大人しくついていくしかなくなった。
辿り着いたのは校舎裏。
近くには池があり、人は誰も通らない。
...こういうとこにいい思い出ないんだよなぁ。
｢...で？なに？｣
『Aさんって、目黒くんと別れたの？』
｢...別れてないけど？｣
『じゃあ早く別れて！！』
は？
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作者名：なあや。
| 作成日時：2020年5月24日 2時
