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深澤side
ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ
インターホンを鳴らせばすぐに開くドア。
渡｢...入って｣
深｢お邪魔しま〜す｣
出迎えてくれた翔太は酷く疲れた様子だった。
渡｢...飲み物何にする？｣
深｢あー、水でいいや｣
渡｢了解｣
先座ってて、と言われソファの下に座る。
渡｢ん、｣
深｢ありがと｣
俺に飲み物を渡した翔太が向かいに座るのを確認して、早速本題に入る。
深｢...何から聞いていい？｣
渡｢...なんでも｣
そう言って翔太はお茶をひとくち飲む。
深｢...まず彼女ってなに？｣
渡｢そのまんまだよ、彼女できた。｣
深｢...誰だよ｣
渡｢同じクラスの篠崎｣
深｢...は？｣
篠崎円香。
同じクラスにいる女子で、いわゆる一軍。
いじめの主犯だとか、やばいやつと繋がってるとか、とにかくいい噂は聞かない。
翔太もそのことは聞いていたはず。
深｢...なんで篠崎？お前あいつがどんなやつか知ってんだろ...｣
渡｢...ただの噂だよ。話してみたらいいやつだった。｣
深｢...へえ｣
そう聞いてもどうしても納得できなかった。
深｢...Aのこと好きなんじゃねえのかよ｣
渡｢...そんなの昔の話だから｣
渡｢それに...あいつには目黒がいるだろ｣
その言葉に何も言えなくなる。
...仮にもう好きじゃないとして、だとしたら、
深｢...じゃあなんでキスなんかしたんだよ｣
渡｢それはっ...｣
言葉に詰まる。
初めて翔太に動揺がみえた。
深｢お前やっぱり好きなんじゃねえの？｣
渡｢...ちげえから｣
深｢他にする理由なんかあるかよ｣
そういえば黙り込む。
深｢...Aのこと想いながら篠崎の付き合うのおかしいだろ｣
渡｢俺は、ちゃんと篠崎のことが好きで、だから｣
深｢嘘つくなよ｣
深｢お前が好きなのはAだ、｣
渡｢だからちがうって！！！｣
声を荒げる翔太にたじろぐ。
深｢...だから、好き以外にキスする理由なんて、お前には、｣
渡｢べつに｣
渡｢...べつに、Aだからしたわけじゃない｣
深｢...は？｣
渡｢...したくなった時たまたまそこにいたのがAってだけで｣
渡｢別に女ならだれでもよか、｣
立ち上がって翔太の胸ぐらを掴む。
最後まで話を聞く気になんてならなかった。
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作者名：なあや。
| 作成日時：2020年5月24日 2時
