13 ページ13
深｢俺だってイケメンだし、モテるんだからな！｣
なんてドヤ顔で言う。
ふっかがモテるのなんて私がいちばん知ってる。
彼と仲がいいという理由だけで何度女子に呼び出されたことか...
大人数に罵倒され、時には殴られもしたけど
それでも彼のそばを離れたくはなかった。
｢....ふっかに彼女かぁ｣
深｢ははっ、なに？お前寂しいの？笑｣
｢...寂しいに決まってるじゃん｣
なんて素直に言ってやれば目を見開いてこっちを向く。
｢...ふふっ、どんな顔よ。笑｣
深｢いやいや、だって、え？お前どうした？｣
慌てふためくふっかがおかしくて仕方ない。
｢...ほんとに寂しいよ。｣
深｢...なんで？俺彼女できてもお前と仲良くするつもりだけど？｣
｢そうじゃなくて、｣
きっと自惚れてたんだよ。
ふっかの1番は私だって。
だから、ふっかにとって特別な女の子は別にいたんだって。
それがショックだった。
...引き止めたかった。
ふっかをずっと私のそばに、縛り付けておきたかった。
｢...ふっかのこと結構好きだったんだけどなぁ｣
この好きは、友達としての好き。
勘違いするような言い方はわざと。
私が愛してるのは翔太だけだ。
...でも、愛されたいのはひとりだけじゃない。
こんなこと言っちゃってさ。
ふっかを困らせるだけなのに。
どこまでもずるい自分に呆れて笑みがこぼれた。
ふっかが彼女と別れた、という噂を聞いたのはそれからすぐの事だった。
理由を聞けば
深｢いや〜、なんか合わないねって振られちった笑｣
しか言わない。
あとから聞いて知ったのは
振ったのはふっかの方だったということ。
深｢あん時はびびったなぁ｣
｢え、こいつ俺のこと好きなの？とか思っちゃってさ笑｣
あんなに酷いことをしたのに笑い話にしてくれるふっかはどうしてここまで優しいのだろうか。
｢...あの時はごめん｣
気にしてねえよ、と笑うふっかに今更罪悪感を覚える。
深｢...それに俺も｣
｢...ん？｣
深｢....俺ね、実は振られたわけじゃなくて。｣
｢むしろ俺から別れてって言ったの。｣
...うん、知ってたよ。
深｢...あと、Aの言葉。友達としてだって、俺気づいてた。｣
｢...え？｣
あの時は上手く騙せたと思っていた。
深｢当たり前じゃん。ずっと見てたんだから。｣
｢...お前の目に翔太以外がうつるわけねえんだって笑｣
その切ない表情に何も言うことができなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 825人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なあや。
| 作成日時：2020年5月24日 2時
