[Elext City] Ⅱ (ページ25)

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rau♡《とりあえず、特に情報の多かった場所を2手に分かれて探してみましょうか》
ko-ji!《めぐきゅん、生配信やん…見られへんやん…》
rau♡《僕はCentral Townのこの路地を行くんで…あれ？》
ko-ji!《俺が1番最初のファンやったのに…》
rau♡《向井さん？》
ko-ji!《めぐきゅんいいねもフォローもしてくれへんし…》
rau♡《あの、向井さん…》

メニュー画面からTwitterでも見ているのだろうか、向井は画面を見ながらいつぞや見たシワシワの黄色い電気タイプのモンスターの様にしゅん、と項垂れている。
ここまでくれば、向井が何に文句を言っているのかはわかってきた。
ラウールは半分呆れたように向井の肩を優しく叩く。

ko-ji!《ぇあ！？どしたんラウ！あ、調査に行く！？》
rau♡《はい、行きます…》
2手に分かれて、通信を繋ぎながらラウールは街を歩く。
あの情報屋さんのおかげなのか、いつもより格段に人の少ないElext Cityは少し新鮮だった。

ko-ji!《けど、ラウはほんま偉いなぁ》
rau♡《へ？》
ko-ji!《俺やったら、間違ってるって思っても1人やったら動かれへんわ》
rau♡《…でも、このElext Cityを上手くいきたいじゃないですか…》
ko-ji!《…そやな》

rau♡《…この前、松村さんのデスクにあった写真を見てしまったんです》
ko-ji!《写真？》
rau♡《やっぱり、Juriさんって松村さんの同期の方をモチーフに作られたんですね》
ko-ji!《…そっかぁ、見たんや。写真》
rau♡《失礼、だったでしょうか》
ko-ji!《…ビックリしたやろ。ほんま、よぉ上手く作られたもんやでな》

rau♡《えぇ。…だから、凄いですよね。たった6人でこんな凄い世界を作ったなんて、》
ko-ji!《え？あの時おった社員は、》
rau♡《いた！》
向井が何かを言いかけていたような気がするが、その前に見つけた人型のバグに、ラウールは駆け出した。