メンズルール(倉安BL) 前編

３２ ページ33

「おー…忠義？」

でもそれから数日後、バイトから帰ってきた章 大は改まって言った。

「もしまたいつか、女と恋愛したなったら
そん時は余計なこと気にせんと俺のこと捨ててな？」

普通に頷きかけて…「え？」と思わず声が出た。

その言葉は、めっぽう俺にとっては普通なことのように聞こえた。
いや、聞こえかけた。

でもこいつと一緒に居たいと思い始めた俺にとっては、その希望を断ち切られたような感覚に陥った。


「何でそんなこと言うん…？」


捨てられるわけないやん。
お前、めっちゃ俺のこと好きなくせに。
お前が傷つくの分かってて、捨てるなんて。

お前は、俺にとって今一番大事な人やのに。

…何となく不安になったんかな、それだけであって欲しい。
落ち着かせようとそっと髪を撫でながら問うた。

「何かあったん…？」
「…何もないよ」

前もこんなんあったな、なんか。

「もぉ〜やったらそんなん簡単に言わんといて、心臓に悪いわ」

わざと非難するように言って、これ以上余計なことが言えないように抱き締める。

「少なくとも俺、ヤスがおらん生活とか考えられへんから」

これはほんま。
俺の思い描く世界の中には
必ずお前の笑顔がある。

もっと笑ってて欲しい。
笑わせたい。

「忠義？」
「んー？」
「すき」

その言葉にいつもいつも、心臓が苦しくなるのは

「忠義が俺のこと好きやなくても」

そんな仮定に胸が痛むのは

何でなんやろう。

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雨悠さん
ありがとうございます！そう、何よりも大事だからこそ好きに気づかないし、だからこそお互い辛いところもあるんですよね…

皆様ありがとうございます！
次回はほっこりパート(当社比)の予定です！

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