メンズルール(倉安BL) 前編

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初めて俺の中でそれが一瞬揺れ動いたのは、多分あの時。

昼飯食った後やったかな。
いわゆる夜のお友達やった莉子と俺が次の授業の教室まで一緒に行こうってなってた時。


正直莉子は、身体の相性良かったし、まあまあ優しかったし、ええ相手かもーなんて思っとった。

当時の彼女と別れてと定期的に言ってくることを除けば。


たまたま会ったヤスは、俺と彼女を交互に見やって
…おそらく、いや確実に一瞬焦ったような顔になった。


「おーくらおーくら！」


そしてヤスは唐突に俺の腕を掴んだ。

…揺れ動いたのは、この瞬間。
動いたなんて確かなもんやない。一瞬脳の回転止まっただけ。
頭の中にちらっとハテナが浮かんだだけ。


「なーなーおーくら、次の授業一緒やったっけ？隣座りたい！」


気づけば意識は莉子の方やなくて、そう言って腕をぶんぶん振ってくるヤスの方に向いてた。
痛い痛い痛い‪w

でも、何かちょっと可愛いよな。なんて。

頭は一応また回り始めた。
さっきの違和感はきっと気のせいやな。

「俺ヤスとちょっと話してから行くわ」

何となくここで『じゃあまた後で』ってのもなぁ、俺から話しかけたし。
そう思って莉子にそう告げた。

ヤスがちょっと嬉しそうで
そんなに俺といる時間って楽しいんか？っておかしくなるくらいやった。

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