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それから数分の間、二人は懲りずにまだ否定を続けていると、クオンは呆れ気味に現実を見させるのを諦めたのか小さなため息つく。
「はあ、もう普通で良い……。お前らにこれ以上言ってもぜってぇ意味無いだろ」
「そうだろ。普通だろ」
「やっと認めたか! だが……シユ様は普通ではなく、かわ……いやキュート?か?」
そう言うと、シユは満足気にドヤ顔をし、イルナは迷いながらも、なかなかムカつくドヤ顔をした。
「…………」
そんな中、クオンは二人を見ると羨ましげな目をし、一瞬眼を伏せる。
シユは気づき、その仕草に少し疑問を持つも、気のせいと思ったのか自分の頭の中で無かった事にする事にした。
「そーだ。探索どうする?」
ルリはわざとらしい仕草をしながら楽しげに言う。
「あ……あぁっ」
「探索?……あっ」
「どっどうする!?どうしたらいいのだ!?」
「別にコイツが居た以外何も無かった……よな?」
二人は晴に頼まれた事をすっかり忘れていた様で、口をパクパクさせたり、ブツブツと独り言を唱えたりと、少しばかり焦っている。
「とりあえず私が報告するから大丈夫だよ。二人は混乱してるみたいだし先に戻ってなよ〜」
ルリはそう言うと二人とクオンを置いて歩き出した。
「はっ!?ちょっ、ルリ!」
「止まれ」
歩きだしたルリをシユは追い掛けようしたが、一歩前へ進んだ途端、クオンが瞬時にシユの後ろへと回り込み、腕を回し、イルナは魔法の様な白い輪に捕まり、身動きが取れなくなった。
「イッ!!」
「行かせないよ…………つかお前案外体……固いな」
「ぅっるせぇ!」
「貴様何をっ!」
二人がクオンに捕まっている中、ルリはそんなのお構い無しに、前へ進んでいき、やがて姿が見当たらなくなった。
「……チッ。手ェどかせ……」
シユがそう言うとクオンは素直に手を離した。
クオンは得にニヤつくわけでもなく、ただ少し恐怖が感じ取れそうな程冷えた瞳でシユとイルナを見ていた。
「イルナ、学園に戻ろう」
「えっ……でも」
「それは名案だ。君達がこの上に行ったら待ってるのは、死、だけだ」
その冷たい言葉にシユとイルナは喉を鳴らした。
*
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如月 唯奈 - 矢骸 鵺与さん» いえ、大丈夫ですっ!私もオリジナル小説を書いています!一緒に頑張りましょう! (2018年12月9日 22時) (レス) id: 0a57facb33 (このIDを非表示/違反報告)
矢骸 鵺与(プロフ) - 如月 唯奈さん» 応援ありがとうございます。改行の方は、今のままで書いていこうと思っているのですみません。ですが指摘はありがとうございます。 (2018年12月3日 22時) (レス) id: 574590adee (このIDを非表示/違反報告)
如月 唯奈 - 更新頑張ってクダサイ!応援しています! (2018年12月3日 22時) (レス) id: 0a57facb33 (このIDを非表示/違反報告)
如月 唯奈 - もう少し、文と文の間を開けた方が見やすいと思いますよ! (2018年12月3日 22時) (レス) id: 0a57facb33 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:矢骸 鵺与 | 作者ホームページ:
作成日時:2016年3月8日 19時