03:怖気 ページ11
あれから数時間、イルナに素の事を教えると言っていたのだが、ルリ以外は、緊張からなのか一言も喋らず二階の探索をする。
だが、これといったものも無く、ただ単に不気味といえるオーラの様なものが、二階全体を包んでいた。
「あ、あの……シユ様、御姉様。お話しません?ちょっと静か過ぎだと逆に怖くて……」
「それ魔王やってた奴が言う言葉かよ」
「家計上そうなっただけで、実際、我はやりたくなかったんですよ!?人間傷つけたく無かったし……でも一人っ子だったし……」
「それ、逃げ道無いね〜」
そんなちょっとした他愛もない話しをすると奥から男らしい人影がこちらに”走って”やって来た。
「え!?何、誰!?」
「何奴じゃ!?」
シユとイルナは素早く戦闘体制をとるが相手の足は早く、すぐに越され、後ろのルリにぶつかる。
「わ……ぉ……?」
「……」
ぶつかった拍子に二人は倒れ、ルリは男の下敷きになる。
走ってきた男は、男にしては長めの白髪で、何故か全体的に白い服を着ており眼帯を身に付けていた。
「……なあ、いい加減そこ、避けたら?」
「……」
シユは少し警戒をしながら男に言うと、男はゆっくりと立ち上がると男の顔が見えた。
その顔は美しく、左目は眼帯で見えないが右目は赤い瞳という悪魔の容姿であるが、悪魔とは思えない神々しさがあった。
「何故、ここにいる」
男はシユとイルナを、ただ何も感情を込めず、睨みながら言う。
だが、ただたんに睨まれたにも関わらず、何故か二人は体の芯から伝わる寒気を感じた。
「だ……第一声がそれかよ……まぁ良いけど」
「……さっさと答えろ」
「そ……それは……だな……」
二人は、芯から感じた寒気で体が石になったかの様に動かなくなり、喋り方も切れ切れになる。
シユは、恐怖からくる寒気とわかっていれど男から伝わるのは、殺気や威圧等ではなく、無関心のみ。何に恐怖を覚えているのかわかっていない。
「晴くんに言われて視察に来たの」
そんななか、優しく緩やかな心が落ち着く声が男の後ろから聞こえた。
そして男は驚いたのか、声の本を見ると目を見開いて固まり、焦りからなのかしばらく思考がトリップしたがすぐ元に戻す。
「ルリ……」
「御姉様」
ルリは名前を呼ばれる中、表情はそのままで、後ろに付いた砂埃を軽く払いながら無言で立ち上がる。
「……あな…………ぁ、あ、あぁ……アンタ……だ、誰」
「ふふっ」
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如月 唯奈 - 矢骸 鵺与さん» いえ、大丈夫ですっ!私もオリジナル小説を書いています!一緒に頑張りましょう! (2018年12月9日 22時) (レス) id: 0a57facb33 (このIDを非表示/違反報告)
矢骸 鵺与(プロフ) - 如月 唯奈さん» 応援ありがとうございます。改行の方は、今のままで書いていこうと思っているのですみません。ですが指摘はありがとうございます。 (2018年12月3日 22時) (レス) id: 574590adee (このIDを非表示/違反報告)
如月 唯奈 - 更新頑張ってクダサイ!応援しています! (2018年12月3日 22時) (レス) id: 0a57facb33 (このIDを非表示/違反報告)
如月 唯奈 - もう少し、文と文の間を開けた方が見やすいと思いますよ! (2018年12月3日 22時) (レス) id: 0a57facb33 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:矢骸 鵺与 | 作者ホームページ:
作成日時:2016年3月8日 19時