参拾壱話 ページ16
ーA視点ー
しばらく見つめて来てはっと鼻で
杏香「やっぱり聞いた通りだわぁ…銀色の眼…醜いったらありゃしない…」
『え…?』
杏香「この際だから言っておくけど、その眼の色、私達の家族の中で誰もいないのよぉ?」
『…だから、何…』
杏香「うふふっ、強がらなくなっていいのよぉ?まぁ、言いたい事は…その眼が突然変異なのか、呪なのか…お父様は呪と決めたのよぉ。」
龍之介「呪じゃないだろ!母さんだってそう言っていた!」
杏香「じゃあその証拠はどこにあるのぉ?」
龍之介「っそれは…」
杏香「うふふっ!ほらね!そいつは呪なのよぉ!」
杏香はこちらに向き直って
杏香「三年後、貴方を
それだけ言って出て行った。
龍之介「…クソッ…!」
『兄さん…』
龍之介「こんな兄ちゃんでごめんなA…」
『…ううん、兄さんがいるから私はここにいるんだよ。ありがとう。』
龍之介「…A、俺こそありがとな。」
そう言った兄さんは涙を流した。
しばらく泣いて落ち着いた兄さんは右手に持っていた布を私に渡した。
『これは?』
龍之介「広げてみろ。」
バサッ
『!!』
その布には見覚えがあった。
『………母さん…』
龍之介「そうだ、お前が持ってろ。」
『いいの?』
龍之介「ああ。それで母さんはいつもAといる。」
『ありがとう…!兄さん…!』
私は母さんの羽織を抱きしめた。
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作者名:靉 | 作成日時:2020年10月25日 10時