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とにもかくにも、中島一行はとある茶屋に来ている

四人がけの卓子(テーブル)に太宰と国木田、向いに中島と少年(志賀)が座っている。
そして中島は物凄い勢いで茶漬けを食い、志賀はその隣で卓子に突っ伏す。その様子を太宰はニコニコと、国木田はイライラと眺めている

国木田「おい太宰、早く仕事に戻るぞ。
仕事中に突然「良い川だね。」とか云いながら川に飛び込む奴がいるか。おかげで見ろ、予定が大幅に遅れてしまった」

太宰「国木田君は予定表が好きだねぇ」

国木田「これは予定表では無い!!理想だ!!我が人生の道標だ。そしてこれには、『仕事の相方が自 殺嗜癖』とは書いていない」

国木田は、バンッと卓子を叩いて云った。思い切り叩いた為突っ伏していた志賀が顔を上げ不機嫌そうに

志賀「理想にそんなこと書く変人居ませんよ……」

と毒を吐いた。寝ているように見えたが、聞いていたようだ

中島「ぬんむいえおむんぐむぐ?」

国木田「五月蝿い、出費計画の頁にも『小僧が俺の金で茶漬けをしこたま食う』とは書いていない」

中島「んぐむぬ?」

国木田「だから仕事だ!!俺と太宰は軍警察の依頼で猛獣退治を―――」

太宰「君達なんで会話できてるの?」

少年「理解に苦しみます」



――――数分後、中島の前には、大量の茶碗が積まれていた

中島「はー、食った!もう十年は茶漬けは見たくない!」

国木田「お前……」

中島の図々しい発言に対し、国木田が言葉を失くしている

中島「いや、ほんっとーに助かりました!
孤児院を追い出され横浜に出て来てから、食べるものも寝るところもなく……あわや斃死かと」

太宰「ふぅん。君、施設の出かい」

志賀「追い出された、ですから出では無いですよ」

太宰「細かいなあ」

志賀「すみません、続けて下さい」

拗ねる太宰を無視して、浅く頭を下げつつ続きを促す

中島「あ、はい。そうです、追い出されました。経営不振だとか事業縮小だとかで」

太宰「それは薄情な施設もあったものだね」

国木田「おい太宰、俺達は恵まれぬ小僧に慈悲を垂れる篤志家じゃない。仕事に戻るぞ」

太宰の中島への同情に、国木田は冷たく返す

一方の中島は、三人の"仕事"が気になるようで

中島「御三方は何の仕事を?」

中島の問に太宰が答える

太宰「なァに……探偵さ」

志賀「太宰さんが云うと、物凄く胡散臭いですね」

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神楽かな(プロフ) - 面白いですね! (2017年12月12日 1時) (レス) id: 01b9535641 (このIDを非表示/違反報告)
無銘 - ルルさん» 有難う御座います。御礼が遅くなり、申し訳ありません。これからものんびりではありますが、頑張って書いていくので、どうか御愛顧下さい。 (2017年11月5日 17時) (レス) id: 6797fe50b8 (このIDを非表示/違反報告)
ルル - 面白かった!! (2017年10月17日 0時) (レス) id: 5f42220b54 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:無銘 | 作成日時:2017年5月5日 14時

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