卅肆 ページ34
突然意識が覚醒する
中島「ここは……」
そう呟くが、探偵社の医務室だと、すぐに分かった
志賀「お早う御座います、中島さん」
国木田「気づいたか。全く、この忙しい時に」
何故か眼鏡を頭に掛けた国木田が咎める
中島「僕、マフィアに襲われて、それから……」
国木田や志賀の言葉を無視して、また呟く。そして気付く
中島「そうだ、谷崎さんにナオミさんは!?」
国木田「無事だ。隣で与謝野先生が治療中」
ギャアァァアア
志賀「五月蝿い……」
悲鳴が聞こえた瞬間、二人は固まり、志賀は耳を塞いで顔をしかめる
中島も中島で、なんだこれは、と云いたげな顔で
中島「……治療中?」
と問う
志賀「大丈夫です……」
耳を塞いだまま、しかも目を逸らし乍、挙げ句歯切れも悪くそう云った
国木田「それよりも、聞いたぞ小僧。七十億の懸賞首だと?出世したな、マフィアが血眼になるわけだ」
国木田が、パイプ椅子の背に肘を掛け乍云う
中島「そうです!どどどうしよう。マフィアが探偵社に押寄せてくるかも」
思い出したようガタガタと暴れ出す
国木田「狼狽えるな」
志賀もコクコクと頷き乍続ける
志賀「マフィアは確かに悪逆非道を極めた集団です」
国木田「そうだ。だが、動揺はするな。動揺は達人をも殺す。師匠の教えだ」
そう云いつつ手帳の頁を捲る国木田の手元に、中島と志賀はジトーッとした視線を送る
そして云ってしまった
志賀・中島「あの……手帳さかさまですよ」
と。
それに国木田は目を見開く。そして、そのまま無言で手帳をひっくり返した
と思ったら突然立ち上がり
国木田「俺は動揺していない!」
等と、どうやっても「疑いをかけてくれ」と云っているようにしか見えない事を云い出した
その様子に、中島は驚いて冷や汗を垂らすし、志賀は放置するしで、それこそ混沌だ
そんな事気にもせず
国木田「マフィア如きで取乱すか!仮令今ここが襲撃されようと、俺が倒す!
あれをこうして、こう、ばしっと動き、いい感じに、ぐっとやって倒す!」
まだまだ続ける国木田。但し、動きのキレが全く普段と変わらない所に、志賀は尊敬と呆れの入り交じった眼差しを送っている
一方の中島は
中島(国木田さん、相当焦ってる
説明がワヤワヤだ)
と、国木田に云おうものなら確実に投げられるような事を考えていた
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神楽かな(プロフ) - 面白いですね！ (2017年12月12日 1時) (
レス) id: 01b9535641 (このIDを非表示/違反報告)
無銘 - ルルさん» 有難う御座います。御礼が遅くなり、申し訳ありません。これからものんびりではありますが、頑張って書いていくので、どうか御愛顧下さい。 (2017年11月5日 17時) (レス) id: 6797fe50b8 (このIDを非表示/違反報告)
ルル - 面白かった！！ (2017年10月17日 0時) (レス) id: 5f42220b54 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：無銘 | 作成日時：2017年5月5日 14時
