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第三者目線

ヨコハマのと或る河川。その河川敷に、一人の少年が倒れている
彼の名は、中島 敦

中島(孤児院を追い出され、食べるもの、寝る
ところもなく、かといって盗みを働く度胸もな
く、こんな処まできてしまった。
生きたければ盗むか奪うしかない―――
けど―――)

――――お前など孤児院にも要らぬ!

――――どこぞで野垂れ死んでしまえ!

孤児院を追い出された、身寄りの無い少年である

中島(五月蝿い―― 僕は死なないぞ――――

生きる為だ。次に通りかかった者、そいつを襲い、財布を奪う)

そして今、この少年は犯罪行為に及ぼうとしている



中島はタイミング良く、背後から一つの気配を感じた。そして背後を通るだろう人物から、財布を奪うべく振り返るのだ

しかし、中島の背後には川しか無い。そこから気配を感じると云うのも、可笑しな話だ。
まァ、そんな野暮な事を考えられる程、この少年に余裕は無い




中島が振り返った先にあったモノ、それは





川を流れる一対の脚だった―――





中島(これはノーカンで……!)

……こんな光景を見た者は、誰であろうとそう思うに違いない

それでも烏達は気になるらしい、脚を突き始めた

これには中島も同情したのか、意を決したように川に飛び込んだ


――――げほ、けほ、けほ………

脚の主をなんとか岸にあげ、噎せ返り乍もそちらを見た。中島が助けたのは焦げ茶色の蓬髪で砂色の外套を着た、至る所に包帯を巻いた男だった

間も無く、男は目を覚ました。と思えば突然起き上がり

??「―――助かったか……………ちぇっ」

第一声がこれである

中島(「ちぇっ」つったかこの人!?)

中島がそう思うのも無理は無い。彼からしたら、空腹で死にそうだというのに助けてやったのだ。それなのにこの男は……
苛立ちを通り越して最早呆れてくる

??「君かい、私の入水を邪魔したのは」

中島「邪魔だなんて、僕はただ助けようと―――入水?」

突然聞こえてきた物騒な単語に、中島は思わず聞き返す

??「知らんかね、入水。つまり自 殺だよ」

中島「は?」

男は、さも当然だとでも云うように言葉を続けた。

??「私は自 殺しようとしていたのだ。それを君が余計なことを―――」

中島「は……はあ
(あれ?僕、今、怒られてる?)」

中島が現状把握に手こずっていることなぞ露程も気にせず、男は未だにブツブツと何か言っている

肆→←弐,人間万事塞王が虎



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神楽かな(プロフ) - 面白いですね! (2017年12月12日 1時) (レス) id: 01b9535641 (このIDを非表示/違反報告)
無銘 - ルルさん» 有難う御座います。御礼が遅くなり、申し訳ありません。これからものんびりではありますが、頑張って書いていくので、どうか御愛顧下さい。 (2017年11月5日 17時) (レス) id: 6797fe50b8 (このIDを非表示/違反報告)
ルル - 面白かった!! (2017年10月17日 0時) (レス) id: 5f42220b54 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:無銘 | 作成日時:2017年5月5日 14時

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