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「はぁ、今日は…っと。」


 
それからというものの、まふ君は3日に1回のペースでうちにご飯を食べに来るようになった。
いわく、作業が落ち着いた時に食べたくなる。らしい。
私はいいけど、彼はそれでいいのだろうか…?

 
「今日は、ライブ会場の打ち合わせと…プランナーか。」

 
そう言いながら、出勤登録をする。
私が勤めている会社は駆け出しのバンド・歌い手さんがライブするための会場の手配等々
いわゆる主催といったところである。まだできてから1年も経ってない。
そしてなぜかここは入るための選考が1発で済んだ。
ただし狭き門なのか、勤めている社員は私を含めて5人しかいない。


 
「井沢ー、今日暇?」

「神木…このスケジュールを見て暇って聞けるとかすごいね。」

「あ、やっぱり?お前宛に電話入ってるぜ。」

「…マジで。」


 
そのおかげで殺人的なスケジュールなのだが、まぁ確かにやりがいはあるけど!
社長のモットーで18時以降に仕事した社員は減給だからすごいホワイトだけど!!
社長…もう少し人増やして………


 
「そう言えば、社長にあったことないなぁ……」

「あ、お前も?」

「神木も?」

「おう、っていうかお前含めて俺ら5人…誰も会ってないんじゃね?」

「…社長って、いるんだよね?」

「…いなきゃ会社として終わってんだろ。」


 
副社長の一之瀬さんはたまに見かけるけど、社長は見たことがない。
でも仕事が入ってきたりするから、存在はしているでしょう…ってか、あれだよ。
忙しすぎて滅多に会社来ないって言ってたもん。なんて考えていたらドアが思いっきり開いて
5人のうちの1人、普段は冷静で物静かな青井が慌てた様子で入ってきた。

 
「井沢!!!」

「え、どしたのアオ君。」

「社長が呼んでるぞ!」

「……マジか。」


 
え、会ってみたいとか思ったからでしょうか。
でも社長直々のお呼び出しって……いったい何?何事?


 
「お前何したんだよ〜」

「いや、何もしてない…よ?」

「とりあえず、打ち合わせは俺とアオで変わってやっから行ってこい。」

「あぁ、こっちは任せとけ。」

「あ、ありがと…」


 
頼もしい同期に後を任せて、社内見学で行ったきりの社長室に向かう。
…私なんか大きなミスしたかな。え、知らず知らずのうちにやらかした???
不安と恐怖で足取りが重くなる。数分前に社長っているの?とか言ってた自分を呪いたいくらいだ。

 

「どうか、無事に帰れますように。」

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切り株(プロフ) - すみません!好評価しようとしたら間違えて低評価押しちゃいました!すみません。応援しています!頑張って下さい! (2019年7月14日 21時) (レス) id: b071ec8f6b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Elice | 作者ホームページ:***  
作成日時:2019年7月11日 17時

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