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「えっと…シャワーありがとう…ございます。」

「いえいえー、もう少しでご飯できるのでそっちで休んでて下さ…」


 
思わず、言葉を止めてしまった。
シャワーを浴びてすっきりした彼をまじまじと見てしまう。
…そうか、この人は…いや、でもそうなってくると何で倒れてたの??


 
「あ、あの…?」

「あ、ごめんなさい!何でもないんです!!」

「そ、それならいいんですけど…」


 
誰かわかっても、さすがに言えない。
私が彼の…まふまふという存在を知っているって分かってしまったら
彼は多分ここからいなくなってしまうから。
いや、浦島坂田船の春ツのTシャツ渡してる時点でバレてる気もしなくないけども。

せめて、倒れそうなあなたに少しでも栄養のつく温かい料理を食べてほしいから。



「できた…!」

「…あの、なんか手伝います。」

「あ、ちょうどできたので大丈夫ですよ?」

「いやでもさすがにここまでしてもらうのは申し訳ないというか…」

「んー…それなら、これ一緒に運んでもらっていいですか?」

 
さすがに作りすぎたので。そう言って出来上がった料理たちを指させば
彼の目はひときわ輝いていた。え、確かまふまふさんって自炊してるはずじゃ…?


 
「すごい…おいしそう…!」

「あり合わせで申し訳ないんですけど…」

「いや、これで…!?」

 
なんて話をしながらも、料理を運んでいく。
今日の献立はほうれん草のオムレツ、ポトフ、トマトサラダだ。
我ながらよくできた方だとは思うが…・どうか、彼の口にあいますように。


 
「「いただきます。」」


 
一口サイズに切られたオムレツが彼に口に運ばれる。
口に入れた途端、彼の顔に笑みが浮かんでいた。


「おいしい…!!」

「よ、よかった…」

「料理うまいんですね…!」

 
そう言ってどんどん食べ進めていってくれる。よかった、少しは力になれたみたいだ。
なんてのんびり考えていたら彼のお皿はすっかり空になっていた……早い。

 
「美味しかった……ありがとう、本当にありがとうございます。」

「いえいえ…」

「それで…僕がまふまふってこと、気づいてます…よね。」

「…はい。」


 
やっぱり、私が気付いていることは彼に気づかれていたらしい。
まぁ、それもそうか。あの服渡した時点でその界隈を知っている証明みたいなもんだ。
 

**→←Mafumafu 『いつも傍に。』



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切り株(プロフ) - すみません!好評価しようとしたら間違えて低評価押しちゃいました!すみません。応援しています!頑張って下さい! (2019年7月14日 21時) (レス) id: b071ec8f6b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Elice | 作者ホームページ:***  
作成日時:2019年7月11日 17時

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