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「んー…ちょっともう…お休み…」

「ほら、言わんこっちゃねぇ……。」

「さむ…」

「ほら、うらたん。Aちゃんさむがっとるで。」

「ったく……」


 
センラに促されなくてもそれくらいするわ、なんて思いながら着ていたカーディガンを脱いで
眠っている彼女にかける……いや、こいつ帰りどうすんの。
とか思っていたら、対面の2人がニヤニヤしながら俺の方を見てきた。

 
「…何だよ、さっきから。」

「いやー、うらたんは俺らに感謝せんといけないやろ!」

「は?」

「今日、Aちゃんから色々聞いたんやで!」

 
そう言ってどや顔してくるセンラ。
思わず飲もうとしていたトマトサワーを吹きかけそうになってしまった。
いや、聴いたって何をそんなに聞いたんだよ。

 
「A、今彼氏おらんて。」

「あぁ、そう。」

「で?うらたんはいつ告白するん?」

「…いつか。」

 
横目で眠っている彼女を見やる。
そう、俺は如月に片思いして…あれ、っていうかなんでこいつらAって呼んでんの?
ずるくない??え、俺も名前で呼びたい。

 
「でー?うらたんのタイプってどんな子やっけ?」

「は?いや、タイプとかねぇけど。」

「これだけは譲れない!とかもないんか?」

「そうそう、志麻君やったらショートカットの子!とか。」

「あー…ねぇな。強いて言うなら清潔感がある子、とか?」

「ふぅん……」

 
っていうか、如月に片思いしてるって知ってるのに何でこんなこと聞いてくるんだこいつら。
そのあとは、彼女が起きるまで少しだけ3人で話をしていた。
もっぱら恋愛に関する話を聞きだされていた形だが。

 
「ん…」

「おはよ、大丈夫か?」

「あ…何とか……あれ、カーディガン。」

「着といていいよ、寒いんだろ。」

「すみません…お酒飲むとなんでか手足冷えちゃって……」

「普通逆じゃね?」

「そうなんですけどねー…ほら。」

 
そう言って彼女は手を差し出してきた。
え、これは触ってみろって?そう言うことなの?
目の前でニヤついてる2人を見て見ぬ振りしながら彼女の手を触れば……

 
「つめたっ」

「でしょー…?」

「やばくね?これ大丈夫?」

「何かあったかいモノ飲むかー?」

「んじゃ、梅酒のお湯割りでえぇな。」

「あ、熱燗頼んどいて。」

 

なんか聞き捨てならない言葉が聞こえたが……
彼女もまだ飲むみたいだ……え、こいつマジで大丈夫?

**→←Uratanuki 『その姿を知っているのは俺だけで。』



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切り株(プロフ) - すみません!好評価しようとしたら間違えて低評価押しちゃいました!すみません。応援しています!頑張って下さい! (2019年7月14日 21時) (レス) id: b071ec8f6b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Elice | 作者ホームページ:***  
作成日時:2019年7月11日 17時

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