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社長室に呼ばれた。
その一言で私の体は緊張で震えていた……この会社の社長は忙しすぎて滅多に会社にはこない。
それでも回っているこの会社は本当にすごいなぁなんてそんなのんきなことを考えていたが。
コンコンとドアをノックしたら、『どうぞ』と返ってくるから恐る恐るドアを開けた。
…あれ、この声どこかで……なんて思ってその先を見つめれば
そこにいたのは、最近ずっと会っている彼だった。
「…え。」
「えっと……改めまして、社長の相川です。」
「社…長……!?」
待って、社長がまふ君で。まふ君が社長で??
…そう言えば、この会社は社長が友達の夢を応援したいために作った会社って言ってた。
仕事といえば、ライブの主催にサポート、セッティング……そうか、この会社は
『まふ君が、歌い手という夢を追いかけてる友達を応援するために作った会社』
そんな会社だったんだ………。
「えっと…隠しててごめんね?」
「い、いやそれは…うん。」
「それで…ね。今日はAにお願いがあるんだ。」
「え?」
まだ動揺が収まらない私にまふ君はペらりと1枚の紙を見せてきた。
上に書いてある『辞令』という文字に動揺がパニックに変わる。
え、何?クビ?クビになっちゃうの??
色々考えすぎてショートした脳みそ、目からはボロボロと涙がこぼれていく。
「え!?A!?」
「クビは…ヤダよ…」
「へ!?クビ!?何言ってるの??よく見てよ!」
「ふぇ……?」
慌てて駆け寄って背中をさすってくれるまふ君。
少し落ち着いて、彼から渡された辞令を見るとそこに書かれていたのは……
「…社長…秘書に任命……?」
「そ、Aはこれから僕の秘書ってこと!」
「そんなの…あり…?」
「アリだよ!だって……俺が社長なんだから。」
「…バカ。」
耳元でささやかれ、赤くなる顔を誤魔化すために憎まれ口をたたいていく。
その奥にいるまふ君の補佐である男性も呆れたように、でも優しい笑みを見せていた。
……あれ、あの人もなんか見たことあるような……。
「んでもって、Aを俺達のファンに変えちゃおう!ね!そらるさん!!」
「え…!?」
「…お前さぁ。自分の彼女だからってそんなにあっさり俺のことばらす?固まってんじゃん。」
「ちょ!彼女じゃないってば!」
そらるさんにそう言われて、顔を一気に赤くするまふ君。
え、その反応は…え、期待して、いいの?ねぇ…まふ君。
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切り株(プロフ) - すみません!好評価しようとしたら間違えて低評価押しちゃいました!すみません。応援しています!頑張って下さい! (2019年7月14日 21時) (レス) id: b071ec8f6b (このIDを非表示/違反報告)
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