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「……グルッペン総統は毒が原因で倒れられたんだよね？」
「……え、…えっと、まぁ、毒の混入で意識を失っていましたけど…」
毒の影響で昏睡状態…？あの国、W国にはしんぺい神が居る。下手な治療や薬の摂取はさせない筈だ。睡眠作用がある薬といえば、例の万能薬だが…軍医が心配する程の昏睡状態が続いたとなると、話が変わってくる。
「………嫌な予感がするな…」
「…え？」
「……いや、こっちの話。取り敢えずこんな罪人の愚話に付き合ってくれてありがとね。おかげで楽しかったよ」
「……いえ……じゃ、俺そろそろ持ち場に戻りますんで」
「そうだね。いつまでもこんな所で油を売ってたら君が叱られてしまうよ」
見張り君がその場から立ち上がった気配がした。
「…あの…期待して、いいですか？あんたは俺達の敵やないって」
その言葉に思わず呼吸を止めそうになる。
──あぁ、この人は何処まで俺をifの世界に陥れれば気が済むんだ。
俺は落ち着きを取り戻し、冷静になる。
「……すまないが、君が何を言っているのか分からない。多分君は俺の事を誰かと勘違いしているようだが…俺は紛れもない、ただの人殺しだよ。だから見方によっては俺は君の、敵だ」
「………そう、ですか…」
悲しげにそう言葉を呟く彼を思わず脳裏に想像してしまう。あぁ、表情が見えないとこんなにも都合の良い思考になってしまうのか。俺の想像している彼がさっきまで目の前に居たならばそんな事絶対に有り得ないのに。
コツコツとこの場から去っていく足音が鳴り響き、遂には消えてなくなった。
俺の脳はどうもご都合主義にも程があるな。彼らの輪の中に入りたいと言う願望が強すぎた為であろうか、こんなにも心が物欲しそうにあの場に居場所を求めるのは。
だが、きっと彼らは俺を受け入れてくれる筈も無い。当たり前だろう。俺は彼らの仲を切り裂こうとした人間の一人と認識されているんだ。今更言わなくとも、俺は彼らの敵だと言うことは十分に理解している筈だ。
それに多分、彼は優しさで心情を隠していた事だろう。あの俺を期待させるような言葉の裏には、きっと彼も俺の事を恨む感情が詰まっているに違いない。
「……あぁ、辛いな…嫌われんのも…」
ふと口に本音が紛れる。目の前は包帯の所為でもう真っ暗だ。何も見えない。
裏切られる期待など最初からしなければ傷付かない。
相変わらず呆れた思考を巡らす自分の脳に苦笑いを零すと、
「──バイバイ、ショッピ君」
俺はもう二度と会える事の無い彼の名を口にした。
今はもう「またね」という言葉は正しくない。
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あまやみ。(プロフ) - 星降春さん» ありがとうございます！さて第四部では作者は星降春様を感動させる事が出来るのか！笑お言葉嬉しいです！応援の元頑張ります！ (2021年3月7日 20時) (
レス) id: 69b3072188 (このIDを非表示/違反報告)
星降春(プロフ) - 第三部完おめでとうございます！もう、最高ですか！？第四部が楽しみすぎて夜も寝れません笑。確実に泣いちゃいますね、第四部。どうか，アンデット君が報われますように。 (2021年3月7日 18時) (レス) id: a283d6b201 (このIDを非表示/違反報告)
あまやみ。(プロフ) - 奈飴亜さん» え、本当ですか！？ありがとうございます！！そう言って頂けて本当に心が嬉しくて叫んでます笑期待にお答え出来るよう頑張ります！！ (2021年3月7日 17時) (レス) id: 69b3072188 (このIDを非表示/違反報告)
あまやみ。(プロフ) - 地稲さん» ありがとうございます！いやもう地稲様の貴重なお言葉を頂けるだけで本当に嬉しいです！！何より楽しんで頂けているとお聞きできて、あぁ、書いてて良かったなと思えました！ (2021年3月7日 17時) (レス) id: 69b3072188 (このIDを非表示/違反報告)
あまやみ。(プロフ) - ハクグンさん» ありがとうございます！もう自分が作中で伝えたい事を読み取って下さってくれていて感激です！！気まぐれペースが続くと思いますが、どうぞお楽しみ下さい！！ (2021年3月7日 17時) (レス) id: 69b3072188 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あまやみ。 | 作成日時：2021年2月20日 13時
