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ガチャン…ギィィ……──と音を立てながら、牢屋の扉が開く気配がする。扉を開けた張本人はコツコツと足音を響かせ、その音が丁度俺の居る位置の目の前で鳴り止まった。
「………着けてあげますよ、包帯」
「本当かい？そりゃ有難いね。お願いするよ」
ボヤけた視界ではこんな近くに居る彼の顔すらも見えなかった。だが俺はそんな彼に対して、ふんわりと笑みを浮かべる。今日の俺は機嫌がいい。本当にそうなのかもしれないな。こんな笑みをリーア以外の前で披露するなんて随分と久しぶりな気がする。
俺はその場を立ち上がらずに、くるりと彼に背を向け座った。
見張り君は手に持っていたであろう包帯を俺の目に当てると、丁寧に俺の頭に巻き始める。その俺の顔や目、頭に当たる手は優しく、暖かい。そして、何処かで触れられた覚えのあるその指に、俺の脳は停止していた思考を回し始めた。
──この手は……あぁ、彼か。
俺は気付かぬ内に、心に湧き出た嬉しさを笑みに紛れさせ、表情に出していた。
「……グルッペン総統閣下は目を覚ましたか？」
「！」
ふと口にしたその言葉に見張り君は俺の頭に包帯を巻いている手を鈍らせた。
「何で俺にそんな事聞くんすか？俺はこの国の下っ端兵士ですよ。他国のお偉いさん事情なんて知ってる訳無いでしょ」
「……ハハッ、それもそうだね。変な事を聞いたな、すまないね」
その明らかに動揺を隠そうとしている声音に思わず、クスクスと笑いが込み上げる。もし、本当に俺が頭の中に浮かび上がらせている人物が俺に包帯を巻いてくれている彼と同一人物なら、とてもつもなく嬉しいが──現実を確かめる事はもう俺には出来ない。だからせめて、どうせ死ぬならこの妄想を許して欲しい。
──俺が仲間になりたかった彼らの一人が今、俺に優しく接してくれている。そんなifの世界を今だけ、妄想させてくれ。
「出来ました」
「…うん、上出来だ。ありがとう」
「…いえ」と小さく呟くと、俺の頭から手を離し、彼は口篭る。長く続く沈黙に、俺は思わず首を傾げる。どうしたのだろうか。そう疑問に思いつつ、俺は彼に背を向けていた座り方を直し、見張り君の方を向いた。
「………目、覚ましたらしいですよ」
「！」
思いもよらない返答に俺は目を見開く。
「そうかい、それは良かったよ……毒の症状はどうだった？」
「深くまでは知りませんけど、軍医が心配する程昏睡状態に入ってました。それ以外は特に…」
その時、彼のその発言に疑問が浮かび上がった。
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あまやみ。(プロフ) - 星降春さん» ありがとうございます！さて第四部では作者は星降春様を感動させる事が出来るのか！笑お言葉嬉しいです！応援の元頑張ります！ (2021年3月7日 20時) (
レス) id: 69b3072188 (このIDを非表示/違反報告)
星降春(プロフ) - 第三部完おめでとうございます！もう、最高ですか！？第四部が楽しみすぎて夜も寝れません笑。確実に泣いちゃいますね、第四部。どうか，アンデット君が報われますように。 (2021年3月7日 18時) (レス) id: a283d6b201 (このIDを非表示/違反報告)
あまやみ。(プロフ) - 奈飴亜さん» え、本当ですか！？ありがとうございます！！そう言って頂けて本当に心が嬉しくて叫んでます笑期待にお答え出来るよう頑張ります！！ (2021年3月7日 17時) (レス) id: 69b3072188 (このIDを非表示/違反報告)
あまやみ。(プロフ) - 地稲さん» ありがとうございます！いやもう地稲様の貴重なお言葉を頂けるだけで本当に嬉しいです！！何より楽しんで頂けているとお聞きできて、あぁ、書いてて良かったなと思えました！ (2021年3月7日 17時) (レス) id: 69b3072188 (このIDを非表示/違反報告)
あまやみ。(プロフ) - ハクグンさん» ありがとうございます！もう自分が作中で伝えたい事を読み取って下さってくれていて感激です！！気まぐれペースが続くと思いますが、どうぞお楽しみ下さい！！ (2021年3月7日 17時) (レス) id: 69b3072188 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あまやみ。 | 作成日時：2021年2月20日 13時
